

イタリアの債務問題が拡大すれば、今度はイタリアに最も多くの与信残高を持つフランスの銀行に問題が波及する。現在、フランスの銀行のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ、債務不履行に備えた保険)とともに保証料率の上昇(信用力は低下する)を続けているのがフランスのソブリンCDSだ。フランス国債の格付けはトリプルAだがCDSから判断される格付けはBaa2にまで下降している。ということはドイツ、フランスらが主導するEFSF(ギリシャはじめユーロの財政危機国を支援する欧州金融安定化基金)の枠組みが崩壊することになる。さらにスペインの債務問題が拡大すればスペインのかつての植民地であった新興国に大量に貸し込んでいるスペインの銀行が新興国に対して過酷な貸し剥がしをやる・・・・八方ふさがりの欧州・新興国そしてアメリカのテイタラク。こうなると比較的傷の浅い日本がいまこそ世界に向けて協力なリーダーシップを発揮するところだが、ただ野田政権では無理か!?

外交ジャーナリスト 手嶋龍一氏推薦! 国際金融市場における闇の金の流れの真相を暴く衝撃の書! 中国をはじめとする新興国と産油国が、ヘッジファンドやPEファンドの金融技術と人脈、4兆ドルの軍資金を有する政府系ファンドを通して、世界の金融市場を席捲している。 アメリカの経済的軍事的覇権にとって変わり、着々と新しいルールのゲームを始めているのだ。この新しいゲームを始めた国家・投資家たちは、様々な投資手段で国富をさらに増大させるだけでなく、その資金を武器として政治的支配力を追求し、利権と安全を確保し地政学的な覇権を築く意思と戦略を持って行動している。これが情報とアクセスがオープンな従来の市場ではなく、秘密裡に強大な投資家同士の間で成立するシャドウ・マーケットである。