著者
長谷川慶太郎,三橋貴明
コード
9784828416649
カテゴリ
経済・金融・投資
発売日
2012/3/31
本体価格
1,200円+税
ページ数
224ページ
サイズ
四六ソフト
内容
本書は「刺激的」な本である。とはいえ、徒に読者の不安感や危機感を煽りたてる本ではない。世界的にデフレが進行している現代という時代において、日本が進むべき道を照らし出す「実用的な書籍」になっている。デフレ下の国家や国民は、それまでとは異なる戦略をもって、新たな成長を目指さなければならない。すなわち、パラダイムシフトが求められるのである。90年代初頭のバブル崩壊以降、日本は世界に先駆けてデフレ経済に苦しめられてきた。さらに、アメリカを中心に不動産バブルが崩壊し、日本以外の国々までもが、今後はデフレ経済に突入しようとしている。とはいえ、日本や世界がデフレに陥るのは、別に初めてではない。デフレ期の国が何をするべきなのか。あるいは、デフレ下の政府や国民が何をするべきなのかは、過去の事例を見れば容易に理解することができる。 筆者が個人的に尊敬申し上げる長谷川慶太郎氏は、以前より「世界のデフレ化」について著作などで語られていた。長谷川氏は、デフレ下の国ではインフラ投資を積極的に行うべきとの持論を展開されているが、筆者もまったく同意見である。別に日本に限らず、デフレ下の国は「次なる経済の基盤」を築き上げるインフラ投資を拡大しなければならない。正しい意味におけるデフレに陥った国は、長期金利が下がる。長期金利が低迷する以上、政府の資金調達コストも下がる。デフレ下の国の国民は、新たな社会インフラへの投資を大々的に行う、絶好の機会を得たと考えるべきなのだ。とはいえ、現実の日本では、未だに「公共事業悪玉論」がはびこり、必要なインフラ整備や耐震化投資すらできない有様に至っている。資本主義経済は、誰かの投資なしで成長することはできない。デフレという、社会インフラ整備をする「絶好の機会」を得たにもかかわらず、日本国民はチャンスをみすみす逸し、国内では「日本は成長しない」論が蔓延している。日本国民自らが成長する意志を持たなければ、経済成長率が高まるはずがない。日本の現在の問題の多くは、成長することで解決できる。経済成長こそが、すべての解なのだ。そして、日本が経済成長を成長させるためには、国民一人ひとりが現状を正しく認識し、「成長」を意識した経済活動に従事する必要がある。
立ち読み
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