著者
渡部昇一
コード
9784828416670
カテゴリ
経済・金融・投資
発売日
2012/5/17
本体価格
1,700円+税
ページ数
352ページ
サイズ
四六ソフト
内容
税と社会保障(福祉)が一体になったらどうなるか。福祉を増やせば、それに応じていくらでも税を増やすということになる。それが一体化の意味である。たとえば医療費だけでも年間約34兆円で、毎年1兆円ずつ増えてゆくことになる。税収は約40数兆円だ。医療費の削減は選挙を考えると政治家は削りにくいであろう。同じことは生活保護費でも、失業対策費でも、その他もろもろの福祉関係のことについていえるであろう。税と一体化したらどうなる。税は限りなく高くなることだ。サッチャー首相が出る前のイギリス政府は「揺り籠墓場まで」という耳触りのよい福祉政策を40数年続けたら、IMFに救いを求めなければならないほど窮乏化したのである。あのかつて世界一の富裕国イギリスが、かつての植民地のシンガポールや、かつて貧乏国と見下していたイベリア半島の国よりも、一人当たりのGDPが低くなったのである。サッチャー首相の努力で下げ止まり、恢復した面もあるが、かつての大工業国家であることに戻ることはできずにいるようだ。ハイエク先生の指摘の予言性に改めて驚く。
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