著者
ロバート・ケーガン
コード
9784828416762
カテゴリ
社会・国際・政治
発売日
2012/8/7
本体価格
1,600円+税
ページ数
256ページ
サイズ
四六ハード
内容
10年ほど前、話題となった『ネオコンの論理 アメリカ新保守主義の世界戦略』(山岡洋一訳、光文社、二〇〇三年)の著者ロバート・ケーガンにとっては三冊目の邦訳書。本書におけるケーガンの主張は以下の通りである。最近、アメリカ国内外で流行している「アメリカが衰退しつつある」という主張に反駁している。ケーガンは、アメリカ衰退論は「幻想」に過ぎないと断言。1、アメリカが世界の総GDP(国内総生産)に占める割合が一九六九年からほとんど変化していないこと、2、アメリカの一人あたりのGDPでは世界の中でいまだ上位に位置していること、3、アメリカの軍事力は予算と装備の面から他の大国を圧倒していること、の三つの点から見て、アメリカは衰退していないと主張している。また、現在のリベラルな国際秩序は、アメリカが作り上げ、アメリカが維持してきたものだ。従って、アメリカが衰退して経済力や軍事力の優位を失ってしまえば、非民主的な専制政治体制のロシアと中国の台頭を許し、現在の国際秩序は崩壊するという主張を行っている。そして、アメリカが衰退するかしないか、それはアメリカ国民の「選択(choice)」にかかっているのだと結論付けるものである。この『アメリカが作り上げた世界』は、これからのアメリカの外交政策を考えるうえで重要な示唆を与えてくれる。アメリカが世界最高の国で、アメリカの素晴らしい価値観である人権や民主政治体制を世界に拡散し、維持していくということがアメリカ外交の基本姿勢である。アメリカの傲慢で独りよがりな外交に対して、多くの批判があることは間違いない。しかし、このアメリカの確固とした姿勢と一種の矜持を本書は世界に示すものである。
立ち読み
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