表現者クライテリオン 2026年5月号

書籍詳細

表現者クライテリオン 2026年5月号

カテゴリ

クライテリオン

発売日

2026/4/16

本体価格

1,400円+税

ページ数

208ページ

サイズ

A5ソフト

内容

【特集】
リベラルの終焉
ここから始まる“自由”の再生

【巻頭言】

 自民党で岸田・石破路線が不人気となり、今年2月の総選挙では立憲民主党と公明党が合流した「中道改革連合」が未曾有の大敗を喫した。これは人々の間で、リベラル離れが加速していることを意味している。

 日本だけの現象ではない。アメリカのトランプ現象に代表される現代のポピュリズムは、主に右派によって主導されている。行きすぎたグローバル化や経済格差の是正は、左派も主張しているのに、有権者に選ばれていないのである。

 ただし政治勢力としてのリベラル派の衰退は、思想やイデオロギーの衰退を必ずしも意味しない。むしろ価値観調査では、若年層ほどリベラルな価値観を自然に身につけていることが分かっている。近代初期から社会改革の根本理念であり続けてきた「自由」や「平等」は、現代人にとっては今や空気のように自明であるが、そのことでかえってイデオロギー化し、狭い支持者の間で教条化してしまっているようにも見える。

 保守の立場からリベラルを一方的に断罪するつもりはない。ただ、既存のリベラルの限界を政治的立場の違いを超えて議論することで、「真の自由」が再生するための条件を考えたいというのが、今号の特集の趣旨である。

表現者クライテリオン編集委員 柴山桂太



【特集対談】
・新しい政治哲学は地方から生まれる/東 浩紀×藤井 聡

【特集鼎談】
・「自由」から自由になる原理/辻田真佐憲×柴山桂太×浜崎洋介

【特集論考】
・「リベラリズム」とは、所詮、奴隷の思想ではないのか/浜崎洋介
・アメリカにおいて「リベラル」は何を意味するか/会田弘継
・根無し草な日本の“リベラル”/仲正昌樹
・「リベラルの敗北」は本当か/吉田 徹
・リベラリズムの終焉?/小泉 悠
・リベラルの自己破壊と「われわれ」の再建/白川俊介
・現代リベラルの根本問題/白井 聡

【特別寄稿】
・地経学元年のイラン帝国の挑戦(前編)/中田 考

【特別対談】
・モデリスト紫山登光に聞く(後編) 徒弟制が技術を伝承する/聞き手 紫山桂太

【連載】
・「危機感のない日本」の危機 無策怠慢の集合体・関東大震災の再来への備え/大石久和
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第413回 世界潮流の中の日本/富岡幸一郎
・満洲こぼれ話 第5回 敗戦の民族(2)/小幡 敏
・不可視のイスラーム帝国ユーラシアを再編する学僧たち 第6回 ルドアンとイスラーム政治/山本直輝
・與那覇潤〈連続対談〉在野の「知」を歩く 第9回 「心」を語らない臨床の半世紀(前編)/ゲスト:信田さよこ
・「過剰医療」の構造と「適正な医療」のかたち 第11回 「小児科医療」の闇/森田洋之
・英国便り 日本の皆様へ 少子化と移民の因果関係 第3回〈最終回〉 英国でよく働き、たっぷり納税し、そして夢が叶った/高尾慶子
・日本のアンチモダン 第10回 東洋的豪傑(1)アンチモダンの恋愛論/平坂純一
・「農」を語る 第1回 「農」の課題を映画で描く/なるせゆうせい×藤井 聡
・東京ブレンバスター(23) コンと呼ばれぬように/但馬オサム

・リレー連載 映画とわたし 第7回 奇跡 「奇跡」の驚き/富岡幸一郎

【寄稿
・堆積する時間の中で 『ダウントン・アビー』に見る英国文化の再編/佐藤慶治

【巻末オピニオン】
・覇権国の断末魔 イラン戦争にみる規範の蒸発/柴山桂太

【書評】
・『自由民主主義とは何か』 田中拓道 著/粕谷文昭
・『アメリカ帝国の衰亡と日本の窮地』 伊藤 貫、ジェイソン・モーガン 著/小野耕資
・『純粋哲学の世界 六つの基本問題をめぐる哲学入門』 高村友也 著/山田陣之祐
・『日本政治思想史講義 『丸山眞男講義録 第四冊』を精読する』 飯田泰三 著/髙橋直也

【その他】
・戦後レジームからノーレジームへ/幻想の帳が落ちるとき ホルムズ危機に寄せて(鳥兜)
・読者の皆様へ
・第8回 表現者賞・奨励賞・読者賞 発表
・「保守思想」に辿り着けないアメリカ/象徴と自由──国旗損壊をめぐる法の一貫性/「聖戦」化されるイラン攻撃/デジタル麻薬としてのSNS(保守放談)
・バックナンバー
・執筆者紹介/編集後記
・塾生のページ
・読者からの手紙(投稿)


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