

著者
規準社(編)
カテゴリ
クライテリオン
発売日
2026/8/17
本体価格
1,400円+税
ページ数
208ページ
サイズ
A5ソフト
内容
【特集】
「寛容」という暴力
あるいは健全な自文化中心主義の擁護
【巻頭言】
「多様性」や「寛容」という言葉がドグマとして蔓延した現在の言論空間において、移民増加等に向けられる生活実感に根ざした感情は「排外主義」というレッテルによって抑圧されている。
しかし、人類は具体的な共同体の中で生きることが運命づけられており、その共同体によって育まれた価値体系の中で世界を見、ものを考え、幸福を感じ、善悪を判断する。ゆえに、その価値体系を根本的に突き崩そうとするものが現れた時、それに抵抗しようとするのは人間の自然なる防衛本能である。
もちろん、既存の価値体系は完全に閉じられたものではない。新奇なもの、異質なものとの出会いを、ただ恐れるだけでなく喜んで迎え入れ、自らを変容させていくこともまた自然の心性である。だからこそ、私たちは何を迎え入れ、何を拒むべきか、いま厳しく問われているのはその境界のクライテリオン(=規準)である。
どこまでも曖昧に移民を受け入れ、境界を溶解させていく政府の態度は、自己の輪郭を失い、自他の区別を截然とできなくなった日本人の精神の反映に他ならない。本誌はこの困難な時代にあらためて「寛容」や「排外主義」といった言葉の再定義を試みる。そして、人々の声なき不安を生活者の権利としてすくい上げ、「健全な自文化中心主義」をどの文化も当然に持つべき態度として提示する議論を展開することとした。
表現者クライテリオン編集部
【特集座談会】
移民受け入れの規準は「日本文化」にあり/施 光恒×大場一央×辻田真佐憲×浜崎洋介
【特集論考】
・不寛容なくして寛容なし 歴史を貫く寛容のパラドックス/森本あんり
・日本で「統合政策」は可能なのか/川端祐一郎
・「神国日本」が拒絶したもの/三浦小太郎
・共同体の境界設定と共存の作法/中田 考
・受託の責務としてのナショナリズム 「責任亡き寛容」の暴力を越えて/白川俊介
・レッテルが言論を閉ざすとき 「寛容」はなぜ排除へと反転するのか/佐藤慶治
【小特集】
「皇室典範改正」議論の空虚
皇室典範改正を巡って様々な議論が交わされている。しかし、政治家や知識人の間には、あまりにも「急遽な議論」が跋扈している。国家の根幹や死生観に関わる次元の重さを忘れ、日本はどうしようもないほどに空っぽな国になってしまった。本特集では、そうした現代の空虚な言説と対峙すべく、新田均、片山杜秀の両氏を迎え、インタビューを敢行した。今、我々に求められている覚悟を糺す。
インタビュー(1) 覚醒か、日本の滅亡か 熱量なき改正は皇室を破壊する/片山杜秀
インタビュー(2) 令和の正統論と保守派が持つべき覚悟/新田 均
【特別座談会】
追悼 桶谷秀昭 孤高の思想家は何を遺したか/新保祐司×山本直人×小野耕資富岡幸一郎
【連載】
・覆面座談会流行思想解剖 第1回 國分功一郎の確かな「敗北」について『天皇への敗北』を読む
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第415回 世界潮流の中の日本 憲法九条はどこへゆく/富岡幸一郎
・満洲こぼれ話 第7回 平民列伝(1)/小幡 敏
・戦後精神史入門 序 再び見出された「現実」のために/浜崎洋介
・「農」を語る 第1回「武」に通ずる「農」/荒谷 卓×小野耕資
・儒学者たちの実存と実像(1) 孔子「門弟三千」の孤独としくじり/大場一央
・考える機械を考える 第1回 「考える機械」は本当に考えているのか/川端祐一郎
【巻末オピニオン】
・「極」の擁護/柴山桂太
【巻末コラム】
・伊藤貫のワシントン・ラプソディ「アメリカによる世界一極化」という妄想/伊藤 貫
・非国民のすゝめ 秩序は嘲笑すべし/小幡 敏
・読者の皆様へ
【書評】
・『公と私』 溝口雄三 著/粕谷文昭
・『日本の自然葬 風葬・土葬から樹木葬・循環葬まで』高橋繁行 著/小野耕資
・『昼間のスターゲイザー 占いと心理学の対話』鏡リュウジ、東畑開人 著/山田陣之祐
・『宣長とベルクソン』前田英樹 著/髙橋直也
【その他】
バックナンバー
執筆者紹介・編集後記
保守放談
政治家を政策で判断する勿れ
皇室典範改正報道に見るメディアの「ニヒリズム」
読者からの手紙
塾生のページ
立ち読み
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