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表現者クライテリオン 2023年5月号

表現者クライテリオン 2023年5月号

発売日
2023/4/14
カテゴリ
クライテリオン

☆巻頭言

日本は今、四半世紀に及ぶデフレ不況の継続の中、海外要因による物価高にも見舞われ経済疲弊は加速している。そして、米中露の覇権戦争の激化の煽りを受けて安全保障上の危機もまた急速に拡大している。
しかし岸田総理は、それらに対する抜本的対策を全てお座なりにしながら“人気取り”のための皮相的政策に終始しているやに見える。ところがそうした態度に対する世論からの総理批判は拡大せず、支持が不支持を上回り始めた。
つまり、国民は自らが政権を監視し批判する重大な責務を負っている事実を忘れ、日本の政治を「他者」としての政府に「任せきり」にしているのである。だとするなら、そのリーダーたる岸田文雄氏は、そんな「依存症」とも言いうる現代の日本人、すなわち『ニッポンジン』の象徴的存在であるとの実態が浮かび上がる。
本特集はこうした認識の下、岸田総理の政治を包括的に批評・批判することを通して現代日本人の本質をえぐり出し、現下の危機を乗り越える現実的方途を探らんとするものである。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡


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☆【特集】「岸田文雄」はニッポンジンの象徴である “依存症”のなれの果て

☆[特集座談会]
・岸田文雄とは何者か?/亀井静香×藤井 聡×浜崎洋介

☆[特集対談]
・佐高信が語る、岸田政権の腐敗と病理/佐高 信×藤井 聡

☆[特集論考]
・「日本の歴史」に聞く耳持たぬ岸田首相――その言葉は宏池会、財務省の鋳造品/上島嘉郎
・私たちの「からっぽ」を乗り越えるために――戦後日本人試論/浜崎洋介
・緊縮財政こそ財政破綻への道ではないか/森永康平
・人として持つべき「死生観」を失った感染対策の愚/甲野善紀
・「猿蟹合戦」から考える依存症者によって作られる社会の末路/仁平千香子
・表現の自由とは何か/呉 智英

☆[特別寄稿]
・SDGs批判序説/長谷川三千子

☆[新連載]
・経世済民 虫の目・鳥の目(第1回 紙幣から見えるもの)/田内 学
・塾生のページ

☆[連載]
・「危機感のない日本」の危機 天皇意識の喪失と日本の消滅/大石久和
・「農」を語る 第1回 人と自然を取り持つ「農」/中貝宗治×藤井 聡
・欧米保守思想に関するエッセイ 第11回 トクヴィルの民主主義批判 Part1/伊藤 貫
・徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評 第2回 「官高政低」がもたらす財政民主主義の否定/室伏謙一
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第二十六回 大江健三郎の文学と戦後民主主義/富岡幸一郎
・逆張りのメディア論30 AIは新聞を殺すのか/松林 薫
・ナショナリズム再考 第21回 リベラリズムは世代間正義を論じることができるか(三)愛着と忠誠の政治哲学序説 十/白川俊介
・戦争を知らないオトナたち 第四回 凍てつく日の丸――落日の大地シベリアに生きる2/小幡 敏
・映画で語る保守思想 第4回 『仁義なき戦い』に見る、「父」を失った日本人(前編)/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
・葬られた国民作家 獅子文六(最終回)ユーモア小説の系譜――戦後派的デカダンスの時代に/平坂純一
・東京ブレンバスター5 柔術と英国フェミニズム/但馬オサム
・欲望の戦後音楽ディスクガイド 第3回 The Shaggs / Philosophy of the World/篠崎奏平
・編集長クライテリア日記 令和五年二月~三月/藤井 聡

☆[巻末オピニオン]
・安倍「器」論・再考――『安倍晋三 回顧録』を読んで/浜崎洋介

☆[書評]
・『異常の構造』木村 敏 著/前田龍之祐
・『中村菊男 政治の非合理性に挑んだ改革者』清滝仁志 著/田中孝太郎
・『新しい階級闘争 大都市エリートから民主主義を守る』マイケル・リンド 著/橋本 悠

☆[その他]
・多様性に関する多様な考察/髙江啓祐(寄稿)
・岸田総理のウクライナ電撃訪問をただ賞賛する愚(鳥兜)
・リモート国会は代議制の否定(鳥兜)
・「推奨」してもらいたい日本人――他者依存の成れの果て(保守放談)
・アメリカが「普通の国」になる日(保守放談)
・「コオロギ食」騒ぎと「新しい生活様式」(保守放談)
・読者からの手紙(投稿)

表現者クライテリオン 2023年3月号

表現者クライテリオン 2023年3月号

発売日
2023/2/16
カテゴリ
クライテリオン

☆巻頭言

SDGs(持続可能な開発目標)やAI(人工知能)はそれ自身、大変結構な話だ。もしも万一それによって何も毀損しないのなら、それは無いよりもあったほうがいいに決まってはいる。
しかし、何やら新しきものを軽々に初めてしまえば実に多くのものが失われ得るのが世の常だ。にも関わらず現代の令和日本には、新手のスローガンさえ唱えておけばそれがデジタルであろうがDXであろうがGXであろうが兎にも角にも否定できぬとのこわばった空気が世間に充満している。
このことはつまり、現代人の多くが今やクライテリオン(規準)不在のままにただただスローガンを嘯きつつ公益・国益を無意図的に激しく既存し続ける愚挙に日々従事している事を意味している。
本誌ではこうした現代日本の醜態を憂い、SDGsやAIなどのスローガンの不条理を徹底批判する。読者各位がこざかしい魔語に心乱されぬ精神を涵養せんとする、その一助にならんとすることが本特集の主旨である。是非ともご一読願いたい。
表現者クライテリオン編集長 藤井聡


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●目次
☆【特集】SDGs/AI批判序説 スローガンに群がる愚

☆[特集インタビュー]

・養老孟司、SDGsとAIを語る/養老孟司 聞き手 浜崎洋介

☆[特集論考]
・SDGsという陥穽 大合唱の裏に何があるのか/池田清彦
・AIとの融合は「人間」を幸せにするか/仲正昌樹
・AIの「知能観」 シンギュラリティ論に惑わされないために/川端祐一郎
・ポストモダン左派はなぜウソをつくのか/掛谷英紀
・スローガンの裏に潜む「ケガレの動員」に警戒せよ/辻田真佐憲
・SDGsよりも「常若」を/葛城奈海

☆[特別座談会]
・積極財政の政治を実現せよ 自民党衆議院議員 城内実・中村裕之両氏に聞く/城内 実×中村裕之×藤井 聡
・統計学・行動科学から問い直す、「コロナ専門家」の倫理観[後編]/松原 望×竹村和久×藤井 聡

☆[連載]
・「危機感のない日本」の危機 「公」を持たない日本人(試論/大石久和)
・[新連載]徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評 第①回 昨今の財務省の動きを検証する/室伏謙一
・「農」を語る 第3回 「農」は人間精神を守る最後の砦/堤 未果×藤井 聡
・欧米保守思想に関するエッセイ 第10回 プラトンの「国家」 哲人統治の必要性と不可能性というパラドックス/伊藤 貫
・?構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第二十五回 マルクスの亡霊たち 新しい全体主義の到来②/富岡幸一郎
・戦争を知らないオトナたち 第三回 凍てつく日の丸 落日の大地シベリアに生きる/小幡 敏
・逆張りのメディア論29 反戦報道が引き寄せる台湾有事/松林 薫
・ナショナリズム再考 第20回 リベラリズムは世代間正義を論じることができるか(二)愛着と忠誠の政治哲学序説?/白川俊介
・葬られた国民作家 獅子文六 第四回 亡命からの復権 敗戦三部作/平坂純一
・欲望の戦後音楽ディスクガイド 第2回 Joy Division/Unknown Pleasures/篠崎奏平
・映画で語る保守思想 第3回 『ランボー』に見る、怒りと復讐の倫理(後編/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
・東京ブレンバスター④ 格闘技の聖地としての靖国神社/但馬オサム
・編集長クライテリア日記 令和四年十二月~令和五年一月/藤井 聡

☆[その他]
・「AI」という名のルサンチマン 現代の進歩主義に告ぐ(鳥兜)
・日本のエリートは「中央集権化」の時代を担い得るのか?(鳥兜)
・債務とは何か? 信用貨幣と商品貨幣の違い/ムギタロー(特別寄稿)
・性急な教育と悠長な教育/高江啓祐(寄稿)
・読者からの手紙
・『民主主義とは何か』 宇野重規著/前田龍之祐(書評)
・新自由主義から新重商主義へ/柴山桂太(巻末オピニオン)
・「徹底自粛」論はどこへ行ったのか?(保守放談)
・コロナ政策、その「失敗の本質」(保守放談)

表現者クライテリオン 2023年1月号

表現者クライテリオン 2023年1月号

発売日
2022/12/16
カテゴリ
クライテリオン

☆表現者クライテリオン2023年1月号巻頭言

2022年は、様々なものの「反転」が始まる年となった。
ロシアのウクライナ侵攻や安倍晋三元総理の暗殺は、かつてならこういう戦争やテロはあり得ないだろうという日本の空気を一気に「反転」させた。
経済に関しても、かつてでは考えられない様なインフレが世界的に進行する方向に世界経済の流れが「反転」すると同時に、我が国においてもかつてでは考えられない様な円安が進行する方向に同じく大きく「反転」した。
こうした2022年の「反転」は2023年以降のロシアvs.NATOの全面戦争や台湾有事の誘発、戦術核の使用等に加えて、さらなる世界的大恐慌の勃発など、さらに大きな「反転」を誘発することが予期される。
しかし、我が国の政界においてもマスコミ世論においても、そうした世界的大転換を認識し、適切な対応を速やかに図らねばならぬという空気は皆無である。結果、我が国の国勢はかつて無い程に衰弱し続ける他ない事態に至っている。
ついては本誌ではこうした我が国の生ぬるい空気を「反転」させ、衰弱し続ける我が国が「反転攻勢」できる状況の創出を企図し、2022年から始まる様々な巨大な歴史的な転機を的確に捉え、我々が一体何をすべきかを考えることを企図した特集をここに刊行することとした。

表現者クライテリオン編集長 藤井聡


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●目次
☆【特集】「反転」の年 2022-2023――戦争、テロ、恐慌の時代の始まり

☆[特集座談会]

・二〇二二年を振り返る 戦争・テロ・恐慌の時代への大転換/仲正昌樹×吉田 徹×藤井 聡×柴山桂太

☆[特集対談]
・米中露覇権闘争と混迷する世界/伊藤 貫×藤井 聡

☆[特集論考]
・習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン/遠藤 誉
・博士の異常な信仰、または科学は如何にして驕るのを止めて宗教を受け入れるようになるのか/與那覇 潤
・グローバリズムと日本アイデンティティ 何が幕末日本の危機を救ったか/星山京子
・「ホモ・サピエンス」への反転のすすめ/堀 茂樹
・日本は内憂外患を転機に出来るのか/森永康平
・二〇二二年に「大事件」は起きたのか “第四次世界大戦”の視点から/外山恒一
・危機の時代を前に/小幡 敏

☆【特別座談会】
・統計学・行動科学から問い直す、「コロナ専門家」の倫理観[前編]/松原 望×竹村和久×藤井 聡
・人はなぜ「故郷」を求めるのか? 人の「強さ」と「弱さ」の由来をめぐって/仁平千香子×藤井 聡×浜崎洋介

☆【連載】
・<新連載>欲望の戦後音楽ディスクガイド 第1回 The Beatles/Please Please Me/篠崎奏平
・「農」を語る 第2回 地方の「農」は日本の最後の砦/堤 未果×藤井 聡
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第二十四回 マルクスの亡霊たち 新しい全体主義の到来①/富岡幸一郎
・戦争を知らないオトナたち 第二回 死線上の男たち 地獄に咲いた、生命の輝き/小幡 敏
・経営学で読む文学 第④回 吉本隆明『共同幻想論』 幻想の中の組織、組織の中の幻想/岩尾俊兵
・逆張りのメディア論28 ツイッター騒動が示す新聞生き残り戦略/松林 薫
・ナショナリズム再考 第19回 リベラリズムは世代間正義を論じることができるか 愛着と忠誠の政治哲学序説/白川俊介
・葬られた国民作家 第三回 小説「海軍」と父のおもかげ/平坂純一
・映画で語る保守思想 第2回 『ランボー』に見る、怒りと復讐の倫理(中編)/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
・東京ブレンバスター③ 左翼こそが嫌韓だった時代/但馬オサム
・編集長クライテリア日記 /藤井 聡

☆【寄稿】
・「物の理解される」ということ 岡倉由三郎という生き方/内丸公平

☆【書評】
・『〈実存哲学〉の系譜 キェルケゴールをつなぐ者たち』鈴木祐丞 著/前田龍之祐
・『マーク・フィッシャー最終講義 ポスト資本主義の欲望』マーク・フィッシャー 著/田中孝太郎
・『ジョン・デューイ 民主主義と教育の哲学』上野正道 著/篠崎奏平

☆【巻末オピニオン】
・「統一教会」問題を我々はどう考えるべきなのか/藤井 聡

☆【その他】
・独善的な社会運動の末路/政治の蒸発こそ、日本最大の危機である(鳥兜)
・「動かない観念」の異常発酵――日本人の精神を蝕むもの/大阪IR構想を貫く「バブルへの憧憬」(保守放談)
・読者からの手紙(投稿)

表現者クライテリオン 2022年11月号

表現者クライテリオン 2022年11月号

発売日
2022/10/15
カテゴリ
クライテリオン

☆表現者クライテリオン2022年11月号巻頭言


米ソ冷戦、そして米中新冷戦の流れを汲む形で勃発した、ロシアのウクライナ侵攻と中国による台湾侵攻危機は、
世界が今や既に第三次世界大戦に突入した様相を呈し始めた事を示している。
こうした状況を踏まえ、例えばフランスの歴史学者エマニュエル・トッド氏は「第三次世界大戦はもう始まっている」と断じている。
こうした世界史的な巨大なうねりの中で、日本が国家の存続と国勢の拡大を企図した適切な外交・安保政策を構想し、展開するためには、
この第三次世界大戦の“戦後”に如何なる秩序を新しくつくるべきなのかというビジョンを念頭に置かねばならない。
ついては本誌では、この第三次世界大戦が短中期的に如何に展開していくのかを論ずると共に、この第三次世界大戦が終了した暁に、
多様な可能性を踏まえながらも如何なるアジア秩序、世界秩序を中長期的に新しく形成していくべきなのかを様々に論ずる特集を企画した。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡


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●目次

☆【特集】第三次世界大戦と戦後新秩序――台湾・ウクライナ情勢の中長期展望



☆【特集座談会】
・中国の内在論理を歴史から問い直す 中国史研究者・岡本隆司氏に聞く/岡本隆司×藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎

☆【特集論考】
・長期化する米中露覇権闘争と日本の最期/伊藤貫
・江戸の地政学に学べ 世界の多極化を見据えて/大場一央
・ウロ事変は世界最終戦の序曲か? 石原莞爾の所論を手掛かりに/金子宗德
・危機の時代の国土論 石川栄耀のみた第二次世界大戦/川端祐一郎
・「国造りの自由」を求めて 新自由主義以後の国際構想/岩木雅宏

☆【特別座談会】
・「自己喪失」の時代に向き合うために 浜崎洋介著『ぼんやりとした不安の近代日本』を巡って/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎

☆【連載】
・<新連載>戦争を知らないオトナたち 第一回 民族の教科書/小幡 敏
・<新連載>映画で語る保守思想 第1回 『ランボー』に見る、怒りと復讐の倫理(前編)/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
・「危機感のない日本」の危機 民主と独裁 「空気」が政治をする国/大石久和
・「農」を語る 第1回「農」は日本の心/堤 未果×藤井 聡
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第二十三回 マルクスの亡霊たち 霊的な力と弁証法④/富岡幸一郎
・経営学で読む文学 第3回 フランツ・カフカ『流刑地にて』 人と制度が変わる「痛み」/岩尾俊兵
・逆張りのメディア論27 新聞は戦争で蘇る/松林 薫
・ナショナリズム再考 第18回「正義」・「忠誠」・「共同体」 ロイスからローティへ 愛着と忠誠の政治哲学序説/白川俊介
・葬られた国民作家 獅子文六 第二回 父がいなければ、父になればいい/平坂純一
・やわらか日本文化論 日本人の頭のなかの鏡 「反省」の大切さ/施 光恒
・東京ブレンバスター2 「今更」の統一教会/但馬オサム
・メディア出演瓦版/平坂純一
・編集長クライテリア日記 令和四年八月~九月/藤井 聡

☆【寄稿】
・配慮の先に配慮はあるか 激化する学校批判への懸念/高江啓祐

☆【書評】
・『ぼんやりとした不安の近代日本 大東亜戦争の本当の理由』浜崎洋介 著/小立 廉
・『政治的なものの概念』カール・シュミット 著/前田龍之祐
・『ガリツィアのユダヤ人【新装版】 ポーランド人とウクライナ人のはざまで』野村真理 著/岡村元太郎
・『検証 政治改革 なぜ劣化を招いたのか』川上高志 著/早瀬善彦
・『大村益次郎 全国を以て一大刀と為す』竹本知行 著/久野 潤
・『遠野物語と柳田國男 日本人のルーツをさぐる』新谷尚紀 著/篠崎奏平
・『「地方」と「努力」の現代史 アイドルホースと戦後日本』石岡 学 著/橋本 悠

☆【その他】
・「国民国家」の気概を問う――第三次世界大戦の「構図」を巡って/いったい何と戦っているのか?――揚げ足取りにかまけるな(鳥兜)
・英国に見る国家儀礼の力/「国葬」騒動の顛末に思う――岸田文雄首相の無能さ(保守放談)
・読者からの手紙

表現者クライテリオン 2022年9月号

表現者クライテリオン 2022年9月号

発売日
2022/8/16
カテゴリ
クライテリオン

☆表現者クライテリオン2022年9月号巻頭言

安倍晋三氏の訃報が流れた直後、岸田文雄総理大臣は涙に目を腫らしながら「安倍氏の思いを受け止め、引き継ぎながら日本について引き続きしっかりと責任を果たしたい」と言明した。そして岸田総理は、その直後の参議院選挙で大勝を収めたのだが――それを受けて再強化された岸田政権において自ら口にした「安倍氏の思いを受け止め、引き継ぐ」ことが果たしてできるのだろうか?
ただし少なくとも、敵を作ることを避けるために何もしない「無策無敵」と批判されるこれまでの9カ月の岸田総理の政治態度を改めない限り、それが可能となることはあり得ない。そもそも第二次の安倍内閣の一丁目一番地の施策はデフレ脱却だったのであり、晩年はそのための積極財政を徹底的に主張していたことは公知の事実だからだ。
ついては本誌では、明るい未来へと繋がり得る賢明なる総理判断への支援を企図し、生前の安倍氏を偲び、その思いの内実を改めて振り返ると同時に、岸田氏が自ら言明した安倍氏の思いの継承が可能であるか否かを、様々な角度から考えることとした。
                         表現者クライテリオン編集長 藤井聡

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●目次
☆【特集】岸田文雄は、安倍晋三の思いを引き継げるのか?――「無策無敵」は政治にあらず

・編纂にあたって/藤井聡

[特集対談]
・安倍晋三の第一の遺志は経済政策。それを無視するのは誤魔化しである/森田実×藤井聡
・「岸田文雄」と「安倍晋三」の思想を問う その聞く耳は何の為のものなのか?/中島岳志×藤井聡

[特集座談会]
安倍晋三の恩義と信頼、そして保守思想/西田昌司×藤井聡×柴山桂太

[特集論考]
・岸田首相は戦後最大の危機に対応できるのか 安倍氏死去と「無策無敵」の限界、参院選後が正念場/泉 宏
・「二〇一二体制」を岸田文雄はどう引き継ぐのか?/白井 聡
・岸田文雄と近衛文麿 その「弱き性格」の行方について/浜崎洋介
・国産復興こそが食料安全保障 なぜ食料を蔑ろにするのか/鈴木宣弘
・岸田総理の覚悟が問われる「深刻な電力危機」の構造/石川和男
・「資源問題」に無為無策な岸田政権/柴田明夫
・コロナ禍における為政者の無為無策は最大級の罪である/森田洋之
・誰かの「黄金」は誰かの「暗黒」である/森永康平
・『表現者』と安倍晋三1 安倍晋三の政治力とは何だったのか/富岡幸一郎
・『表現者』と安倍晋三2 安倍晋三、世界をリードした不屈の精神 一人の天才政治家の悲劇/西村幸祐

[特集インタビュー]政治評論家・鈴木棟一が語る「岸田文雄」と「岸田政権」/鈴木棟一 聞き手 藤井聡

☆【特別インタビュー】
亀山郁夫氏に聞く ロシアの内在論理を問う 受動性と全一制、そして断絶の歴史/聞き手 柴山桂太・川端祐一郎

☆【特別対談】
武術研究者・甲野善紀氏に聞く(後編) 死生観を失った時代の果てに/聞き手 柴山桂太

☆【連載】
・<新連載>葬られた国民作家 獅子文六  第1回 正統なる正当性を求めて/平坂純一
・<新連載>東京ブレンバスター1 祖国復帰とウルトラの星/但馬オサム
・「農」を語る 第3回 農こそが日本を守る/鈴木宣弘×藤井聡
・欧米保守思想に関するエッセイ 第9回 プラトンの教訓 民主主義の欠陥と哲人統治の可能性/伊藤貫
・経営学で読む文学 第2回 山本周五郎『彦左衛門外記』「天下のご意見番」と「社史」はいかに創られる? レトリックとしての歴史と経営/岩尾俊兵
・逆張りのメディア論26 総戦力に備え、「一次情報の自給率」を高めよ/松林薫
・ナショナリズム再考 第17回 「正義」・「忠誠」・「共同体」 ロイスからローティへ――愛着と忠誠の政治哲学序説/白川俊介
・地形がつくる日本の歴史 第二十六回(最終回) 奇跡・日本の近代化 江戸のインフラ遺産/竹村公太郎
・やわらか日本文化論 「運」よりも「恩」 言葉から考える13/施光 恒
・編集長クライテリア日記 令和四年六月~七月/藤井聡
・表現者クライテリオン創刊四周年シンポジウム in新宿の報告 首都東京で考える『「愛国」としての「反日」』について/松島豊樹

☆【寄稿】
・教育を語る言葉の息苦しさはどこからくるのか コロナ禍で改革ありきの発想から抜け出すためのヒントを考える/清水一雄

☆【書評】
・『ウィトゲンシュタインと言語の限界』ピエール・アド 著/篠崎奏平
・『経済の起源』大澤真幸著/前田龍之祐
・『感情の向こうがわ 武術家と精神科医のダイアローグ』光岡英稔・名越康文 著/田中孝太郎
・『MMT講義ノート 貨幣の起源、主権国家の原点とは何か』島倉原 著/橋本悠
・『自由の国と感染症 法制度が映すアメリカのイデオロギー』ヴェルナー・トレスケン 著/黄宇成

☆【その他】
・「統一教会に恨みを持った人物による元総理暗殺」は何を意味するのか/政治改革の無残な失敗(鳥兜)
・日本版ジョーカーの言葉――安倍元首相狙撃犯の怨念/「非倫理性」は避けがたい(保守放談)
・読者からの手紙(投稿

表現者クライテリオン 2022年7月号

表現者クライテリオン 2022年7月号

発売日
2022/6/16
カテゴリ
クライテリオン

☆表現者クライテリオン2022年7月号巻頭言

令和四年二月、ロシアがウクライナを侵攻した。米国を中心としたNATO諸国はこの「力による状況変更」を強行したロシア/プーチン大統領を徹底的に非難し、制裁を課す展開となった。
そうした展開を受け、日本国内のマスコミ世論は「英雄ゼレンスキー大統領vs悪魔プーチン」とでも言うべき構図一色で塗りつぶされることとなった。
 ただしこうした「勧善懲悪」構図だけでは、今回の「ウクライナ」問題を解釈し尽す事など到底できない。本来ならばこの問題は、中国による台湾・尖閣侵略という有事リスクに直面している我が国に、貴重な教訓を数多く提示し得るものである。しかしそれにも関わらずこうした単純な認識構図だけでは、貴重な教訓の大半をみすみす廃棄してしまうことになる。
 ついては本誌では、我が国にとって有益となり得る多様な知見・教訓を得ることを目途に、今回の「ウクライナ」問題を、多面的な視点・角度から様々に論ずる特集を企画することとした。読者各位におかれては是非、柔軟な姿勢で本特集にお目通しいただきたい。
                     表現者クライテリオン編集長 藤井 聡

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●目次
☆【特集】「ウクライナ」からの教訓――来たるべき“有事”にどう備えるか?


[特集対談]
「ウクライナ」は極東に何をもたらすのか? 中露連合の「敵」と化しつつある日本/東郷和彦×藤井 聡

[特集座談会]
戦争と人文学 歴史・民族・アイデンティティ/金子宗徳×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎

[特集論考]
三十年間、ロシアを弄んできたアメリカ/伊藤 貫

・裏切られた「核の傘」とロシアのあからさまな核恫喝 ウクライナ侵攻、真の狙いは何か/矢野義昭
・対露経済制裁に死角あり、対中国制裁を検討せよ/田村秀男
・プーチン大統領のウクライナ侵攻から中国が得た教訓/小原凡司
・無神論とロシア正教会 プーチン・ロシアの霊性の飢饉と日本/富岡幸一郎
・ウクライナ政府にプロパガンダはないのか 情報戦のリアリズムを見よ/辻田真佐憲
・ロシアのウクライナ侵略、その善悪ナラティブの危険性/?原響子
・戦争は人間を真面目にする 一億総徴兵逃れの国へ/小幡 敏

[対談トーク]
映画『君たちはまだ長いトンネルの中』公開記念 「思想×エンタメ」が政治を動かす 消費税減税で日本を元気に!/なるせゆうせい×藤井 聡

[特別対談]
武術研究者・甲野善紀氏に聞く(前篇) 失われた「技」を求めて/甲野善紀 聞き手 柴山桂太


☆【連載】
・<新連載>第1回 井伏鱒二『山椒魚』 サンショウウオと日本企業の類似性 横並びの閉塞感/岩尾俊兵(経営学で読む文学)
・紛争死史観と災害死史観/大石久和(「危機感のない日本」の危機)
・第2回 農こそが日本を守る/鈴木宣弘×藤井 聡(「農」を語る)
・第四回 「ぼんやりとした不安」が導いたもの/浜崎洋介(「自己喪失」の近代史)
・「大本営発表報道の反省」に意味はあるのか/松林薫(逆張りのメディア論)
・第16回 「共同体」と「忠誠心」 ジョサイア・ロイスのアクチュアリティ――愛着と忠誠の政治哲学序説5/白川俊介(ナショナリズム再考)
・第二十五回 断崖絶壁の江戸文明 大転換へ/竹村公太郎(地形がつくる日本の歴史)
・第十回(最終回) 光と闇の二元論を超えて 村上春樹の『アンダーグラウンド』を読む/仁平千香子(移動の文学)
・メディア出演瓦版/平坂純一
・令和四年四月~五月 編集長クライテリア日記/藤井聡


☆【寄稿】
・表現者塾信州支部学習会(第二回)レポート――「小林秀雄の批評と保守思想」講師 浜崎洋介/前田一樹


☆【書評】
『忘却された日韓関係 〈併合〉と〈分断〉の記念日報道』趙 相宇 著/田中孝太郎
『国家と実存 「ユダヤ人国家」の彼方へ』立川健二 著/前田龍之祐
『中国哲学史 諸子百家から朱子学、現代の新儒家まで』中島隆博 著/篠崎奏平


☆【その他】
・「空気」の覆いを取り払え――ロシア・ウクライナ戦争を考える前に/ヒステリー化した「どっちもどっち論者」狩り(鳥兜)
・“良心的”ジャーナリストの幼稚な綺麗事/岸田総理の佇まいが暗示する、途方もなく暗い日本の未来(保守放談) ・読者からの手紙(投稿)

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