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表現者クライテリオン 2022年5月号

表現者クライテリオン 2022年5月号

発売日
2022/4/15
カテゴリ
クライテリオン

☆巻頭言

【特集】日本を蝕む「無気力」と「鬱」


日本は今や、20年間経済成長率のランキングでOECD加盟諸国中最下位を記録したのみならず、世界中がコロナ禍から立ち直り始めている中で唯一のデフレ衰退国家である。しかもかつてから自給することができなかった、エネルギーのみならず、今や、ワクチン、そして半導体ですら、自前調達ができない程の後進国に凋落しつつある。
そして何より、先人から引き継いだ伝統、文化、そして国土、さらには、我が国の国体の根幹たる皇室を安定的に護る能力をすら失い始めている。こうした激しい国家的凋落の背後にあるのが、我が国における政界、言論界、学界をはじめとしたあらゆる領域における「無気力」の蔓延であり、それを背景とした、国家的規模の激しい「鬱」状態である。
本特集ではこの認識の下、日本の政治、経済、外交、文化、社会、芸術といったあらゆる次元の各種問題の根幹に この「無気力」の問題が厳然と横たわっていることを改めて描写する。
そしてそれと同時に、この根本的な「無気力」が何故我が国において蔓延する事になったのか、その原因を探り、そしてそこから脱却する方途を模索する。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡

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●目次

☆【特集】日本を蝕む「無気力」と「鬱」


[座談会]
政治家にとって「真の行動力」とは何か 戦後政治史に学ぶ/森田実×藤井聡×柴山桂太

[インタビュー]
「見ちゃいけないものを見せる」映画の力 倫理を乗り越えて生まれる「倫理」とは?/白石和彌×藤井聡

・「無気力」の手前で/浜崎洋介
・すぐにあきらめる国、日本/和田秀樹
・時代精神としての鬱的気分/土井隆義
・中国の無気力カルチャー「?平」の背後に横たわるもの/福島香織
・新自由主義はなぜ死なないのか/岩木雅宏
・「ポルノ化」した政治的関心/川端祐一郎
・時流に敏ならざること/小幡 敏
・沖縄から考える「四月二十八日」と「五月十五日」/藤原昌樹


[文学座談会]
失われた「信仰」を求めて ミシェル・ウエルベック『服従』を読む/本誌編集委員


☆【連載】
・第1回 農こそが日本を守る/鈴木宣弘×藤井 聡(「農」を語る)
・「生きる意味」の探究者、ソクラテス Part――『ソクラテスの弁明』、五つの重要点/伊藤貫(欧米保守思想に関するエッセイ)
・マルクスの亡霊たち――霊的な力と弁証法3/富岡幸一郎(虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー)
・新聞社を覆う「閉塞感」の正体/松林薫(逆張りのメディア論)
・第15回 多様性に開かれた社会における「忠誠心」について 「構成的物語」の重要性――愛着と忠誠の政治哲学序説?俊介(ナショナリズム再考)
・捨てる民族と捨てない民族――地形が決める道徳/竹村公太郎(地形がつくる日本の歴史)
・愛という不都合な荷物――ジョン・スタインベックの『怒りの葡萄』を読む/仁平千香子(移動の文学)
・メディア出演瓦版/平坂純一


☆【特別対談/鼎談】
・領土を護る気概を「尖閣海洋調査」が意味するもの/中山義隆×山田吉彦×藤井聡
・石原慎太郎の政治と文学/西村幸祐×富岡幸一郎
・「積極財政」で、政治を取り戻せ! /田原総一朗×水道橋博士×藤井 聡


☆【寄稿】
・帝王学の真髄――『誡太子書』に学ぶ/所 功
・表現者クライテリオン神戸シンポジウム報告――神戸から考える危機と対峙する保守思想/福谷啓太


☆【書評】
『反逆の神話 「反体制」はカネになる〔新版〕』ジョセフ・ヒース&アンドルー・ポター 著/田中孝太郎
『防衛省の研究 歴代幹部でたどる戦後日本の国防史』辻田真佐憲 著/篠崎奏平
『いつもの言葉を哲学する』古田徹也 著/前田龍之祐


☆【その他】
・「表現者クライテリオン」シンポジウム いま、なぜ小林秀雄なのか/富岡幸一郎×柴山桂太×浜崎洋介
・日本のマスコミ世論と政治の度し難い幼稚さ/ウクライナの今日、日本の明日(鳥兜)
・経済財政諮問会議と財政制度等審議会(「危機感のない日本」の危機)
・あなた任せの日本人―『にっぽん昆虫記』に寄せて/ウクライナの「徹底抗戦」支持は日本人の本音なのか(保守放談)
・読者からの手紙

表現者クライテリオン 2022年3月号

表現者クライテリオン 2022年3月号

発売日
2022/2/16
カテゴリ
クライテリオン

☆巻頭言

【特集1】皇室論 俗悪なるものへの最後の“反(アンチ)"
「危機と対峙する保守思想誌」である表現者クライテリオン、その本誌が対峙せねばならぬ最大の「危機」―それこそが「皇室問題」である。
我が国の皇室はその皇位のみならずその伝統全てはただ漫然と継続されてきたのでは決してない。それらの存続は有史以来、常に「危機」に晒され続けてきた。それにも拘わらず令和の今日に至るまでその伝統が途絶えずに存続できたのは、その断絶の危機を回避するための努力を、皇室自身のみならずそれを支え護る日本国民が揺るぎなく続けてきたからに他ならない。
ついてはこの令和においてもこれまでと同様、否、それ以上に、皇室存続のための努力を続けなければならない。さもなければ、近代に毒され俗悪に満ち満ちた令和日本にてその危機は全て現実のものとなる他ない。
本特集はそうした国民的努力のささやかなる一端として企画したものである。我が日本国民がこの「皇室問題」に、真剣に向き合わんとする気風を高めんことを、この機に改めて祈念したい。


【特集2】「愛国」としての「反日」
愛無き対象に差し向けられるものはしばしば憎しみよりもむしろ無関心である以上、愛すれば愛する程にその対象に対する批判はより激しくならざるを得なくなる──かくして、愛国者はただただ日本を深く愛するが故に「反日」となり得る宿命を持つ。
本特集はこの必然と向き合い、日本を愛すればこそ、戦後のみならず戦前から我が国日本が抱える本質的な欠陥から眼を背ける事なく、そのおぞましさと惨たらしさを力の限り認識せんとするものである。
この愛する我が国日本、ひいては「君が世」の弥栄を護り続けるためには、我々が抱えるその宿痾を認識し、可能な限り治癒せんと努力しつつ、もしもそれが叶わぬのならその宿痾と付き合い続ける覚悟を持たねばならない。
その作業が間に合うのか間に合わないのか──残念ながらそれを問う暇すら、我々には残されていない。成すべきを成さねば我々が愛するもの達は全て無に帰す事になる。
是非ともこれ以上の恥の上塗りを避けるためにも、自身の恥部から目を背ける事なく対峙せんとする勇気を持たれんことを、心から祈念したい。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡

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●目次

☆【特集1】皇室論 俗悪なるものへの最後の“反(アンチ)"

[座談会]
「皇室論」を国民的に加速せよ! /施光恒×藤井聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎


・「象徴」天皇とは何か/田中久文
・聖域で「品位」を保ち多様な公務に励む方々/所功
・「男系の皇統」維持のために/百地章
・皇位の安定継承という最優先課題/高森明勅
・資料:「男系男子での皇位継承」が持続する条件の試算/川端祐一郎


☆【特集2】「愛国」としての「反日」

[鼎談]
愛国が故の「反日」とは、一体何なのか?/前田日明×小幡敏×藤井聡


・「理想団」の思想――日本人の弱点への一つの処方箋/菅野覚明
・私にとっての「愛国としての反日」/浜崎洋介
・自衛隊のあるべき姿とは/葛城奈海
・『「愛国」としての「反日」』出版によせて――日本よ、自衛隊を国軍にせよ/藤井聡


☆【連載】
・「大衆社会」は、何をもたらしたのか/浜崎洋介(「自己喪失」の近代史)
・「生きる意味」の探究者、ソクラテス Part1――ソクラテスの歴史的意義/伊藤貫(欧米保守思想に関するエッセイ)
・マルクスの亡霊たち――霊的な力と弁証法2/富岡幸一郎(虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー)
・江戸最大の謎、忠臣蔵――地形から解く/竹村公太郎(地形がつくる日本の歴史)
・新聞社の倒産で起きること/松林薫(逆張りのメディア論)
・リベラル・デモクラシーと「われわれ意識」――愛着と忠誠の政治哲学序説?/白川俊介(ナショナリズム再考)
・「グローバル化」と「国際化」を区別すべき――言葉から考える12/施光恒(やわらか日本文化論)
・不安という原動力――フランツ・カフカの「巣穴」を読む/仁平千香子(移動の文学)
・編集長クライテリア日記/藤井聡
・メディア出演瓦版/平坂純一


☆【寄稿】
・文学的経営学序説――文学と経営の対立の誤りを正す/岩尾俊兵
・「令和維新」――この時代になってようやく始める国の独立運動/山下英次
・「みんなで決める」ことの光と影/小西正雄
・NHK「みんなのうた」にみる日本の規範/佐藤慶治
・人類と環境の悩ましい関係/橋本由美


☆【書評】
『反逆の神話 「反体制」はカネになる〔新版〕』ジョセフ・ヒース&アンドルー・ポター 著/田中孝太郎
『防衛省の研究 歴代幹部でたどる戦後日本の国防史』辻田真佐憲 著/篠崎奏平
『いつもの言葉を哲学する』古田徹也 著/前田龍之祐


☆【その他】
・第四回 表現者賞・奨励賞発表
・日本的コロナ対策――暖簾に腕押し、豆腐にかすがい/「なし崩し」的改革への「思想」的抵抗(鳥兜)
・「自粛派」の罪――不信ベースの人生観/インフレになっても政府投資を削るな(保守放談)
・読者からの手紙

表現者クライテリオン 2022年1月号

表現者クライテリオン 2022年1月号

発売日
2021/12/16
カテゴリ
クライテリオン

☆巻頭言

【特集1】岸田内閣成功の条件―「新しい日本型資本主義」とは何か
第百代内閣総理大臣に就任した岸田文雄新総理は、総裁選において新自由主義からの転換と「所得倍増」を柱とする岸田ビジョンを打ち出した。
その後の総理就任演説や衆議院選挙にて、これまでの新自由主義に基づく資本主義が株主を過剰に重視するものであり、これが格差と分断をもたらしたと指摘しつつ、かつ我が国に存在していた「分厚い中間層」を取り戻すべきである、そのために適切な分配と成長の好循環をもたらす「新しい資本主義」を構築すべきなのだと強調した。
こうした岸田ビジョンに、貧困化と将来不安に苛まれてきた大方の国民は大いに賛同するに違いない。しかし問題は、そうした「新しい資本主義」を、我が国「日本」の固有性を十二分に踏まえた上で構築することが、本当にできるのかという点にある。
ついては本特集では、あるべき「新しい日本型資本主義」の形を改めて多面的に論じつつ、岸田内閣の「成功の条件」を改めて掘り下げる特集をここに企画した。


【特集2】通巻100号記念 回想・西部邁
本誌『表現者クライテリオン』がその前身誌『表現者』を引き継ぐ形で創刊された2018年、その創刊号がまさに校了するその日に、その前身誌『表現者』の創刊者、西部邁先生がこの世を自ら去った。その『表現者クライテリオン』が今回の号で『表現者』からちょうど通巻100号目。
その100号16年の間、我が国日本が物心両面において衰弱し続ける中で本誌の言論活動が未だに旺盛に展開し得ているのはまさに、西部邁先生の保守すべきを保守せんとする「意」の賜である。
ついてはこの通巻100号発刊の機に改めて、西部邁先生を読者各位と共に回想するささやかな機会をここに設けることとした。現役時代の西部邁先生の活躍をご存じの方もそうでない方もぜひ本特集にお目通しいただき、本誌言論の原点」に改めてお触れ願いたいと思う。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡

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●目次

☆【特集1】岸田内閣成功の条件―「新しい日本型資本主義」とは何か

[対談]
「新しい資本主義」の原点/岸田文雄×藤井聡
公益資本主義が日本を救う――株主資本主義を乗り越えて/原丈人×藤井聡
なすべき「財政政策」とは何か?――単年度PB主義を乗り越えよ/高市早苗×藤井聡

・新自由主義的「無力感」から抜け出すために/柴山桂太
・日本企業は新しい資本主義の担い手となりうるのか?/宮本光晴
・食料自給率低下は国家存亡の危機――国産振興に思い切った財政出動を/鈴木宣弘
・シンプルな政策こそが経済安全保障の第一歩である/森永康平
・経済政策は日本文化とのすり合わせを考えよ/坂本慎一
・「新自由主義からの転換」、「新しい資本主義」を看板に偽りありとさせないためになすべきこと/室伏謙一
・「新しい日本型資本主義」のカギは「イノベーションの民主化」にあり/岩尾俊兵
・日本人に憲法を変える覚悟はあるのか/小幡敏


☆【特集2】通巻100号記念 回想・西部邁

[座談会]
西部邁が追い求めたもの――非行、同盟(ブント)、散文的健全性/高澤秀次×渡辺望×富岡幸一郎×川端祐一郎

[対談]
西部邁の原点を考える――“若き経済学者"としての顔/森田実×藤井聡

・消費社会批判から大衆社会批判へ――西部流保守主義の「原点」を探る/田中孝太郎


☆【連載】
・「危機感のない日本」の危機――城塞都市カルカソンヌの都市封鎖/大石久和(巻頭)
・「教養主義」は、なぜ無力だったのか/浜崎洋介(「自己喪失」の近代史)
・孤高の哲人、アーヴィング・バビット Part3――バビットの価値規範と指導者論/伊藤貫(欧米保守思想に関するエッセイ)
・マルクスの亡霊たち――霊的な力と弁証法1/富岡幸一郎(虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー)
・浅草吉原遊郭とバベルの塔――共同体の分裂と融合/竹村公太郎(地形がつくる日本の歴史)
・反出生主義 死者と生者の間に/平坂純一(保守のためのポストモダン講座)
・純潔か、野蛮か?――リベラルの不寛容さについて/川端祐一郎(思想と科学の間で)
・「寒冷化」には備えなくていいのか?/松林薫(逆張りのメディア論)
・「反動」と「常態」――ナショナリズムの「二つの顔」――愛着と忠誠の政治哲学序説?/白川俊介(ナショナリズム再考)
・俳諧と女性の平等――言葉から考える11/施光恒(やわらか日本文化論)
・生命の誕生という「保証のない旅」――金原ひとみの『マザーズ』を読む/仁平千香子(移動の文学)
・編集長クライテリア日記/藤井聡
・メディア出演瓦版/平坂純一


☆【書評】
『小林秀雄の「人生」論』浜崎洋介 著/前田龍之祐
『バタイユ エコノミーと贈与』佐々木雄大 著/篠崎奏平


☆【その他】
・地方において保守思想の普及を目指す信州支部の挑戦(表現者塾信州支部活動レポート)
・デジタル植民地になった日本/滅び去る他なき、政治への関心を失った国民国家(鳥兜)
・支離滅裂な給付政策/「PB黒字化目標」が日本の政治家への信頼を破壊した(保守放談)
・読者からの手紙

表現者クライテリオン 2021年11月号

表現者クライテリオン 2021年11月号

発売日
2021/10/15
カテゴリ
クライテリオン

☆巻頭言

日本は今、あらゆる側面において衰弱し続けており、国家として没落の一途を辿っている。
その背後には政界は言うに及ばず、官界、学界、マスメディア、教育界、財界、そして、
言論界における激しい腐敗がある。
しかし、世間を見回せば、市井にはまだまだ「立派」に生きる「庶民」があらゆる分野、
階級に息づいている。
絶望的なこの日本にあって、これは一縷の希望である。
おそらくは日本人は「適切な文脈」にさえ置かれればその優秀さを存分に発揮し、驚くべき
能力を見せる力を未だに携えているのではないか。そしてよくよく考えてみれば、日本文化に
おける重要な位置づけを担う茶道、華道、武士道における「道」という概念は、かつての日本人
がその「適切な文脈」として用意したものだったのではないか。
本特集では、ほぼ絶望しか見出し得ない現代日本においてあえて絶望から脱却し得る未来を
構想することを企図し、「道」や「研鑽」の概念を手掛かりとしながら、日本人の「強み」とは
何かを深く考える。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡

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●目次

☆【特集】日本の「強さ」とは何か――亡国を救う「道」の思想

〔座談会〕
・日本復活を導く「道の思想」/施 光恒×藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
〔対談〕
・「道」を極めることは「良く生きること」――東京五輪、女子柔道大復活の秘密/中井祐樹×松原隆一郎
・日本再生の鍵は職人の伝統にあり――“棟梁”小川三夫氏に聞く/小川三夫(聞き手 柴山桂太)

・「道」は日本人の故郷である/菅野覚明
・稽古の智慧――世阿弥に学ぶ/西平 直
・継承という事――「梅路見鸞」という存在/甲野善紀
・本来的な日本の強みとしての「任?」を考える/宮崎 学


☆【新連載】
〔特別対談〕プライマリーバランス規律を撤廃せよ!
・第1回 安倍内閣はなぜ消費増税したのか?(田原総一朗×藤井 聡)
・「自己喪失」の近代史 第一回 「明治の精神」は、どう終わっていったのか/浜崎洋介

☆【特別レポート】
〔対論〕「空気」に屈しない!「歯科」的抵抗運動/松崎友祐×七里正昭


☆【連載】
・「危機感のない日本」の危機――日本国崩壊の真因・小選挙区制の導入/大石久和
・欧米保守思想に関するエッセイ 第5回 孤高の哲人、アーヴィング・バビット Part? バビットの教育政策論争/伊藤貫
・マルクスの亡霊たち――マルクス主義とキリスト教?/富岡幸一郎(虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー)
・「社交の世紀」の光と影/川端祐一郎(思想と科学の間で)
・ポストモダン紋切型辞典/平坂純一(保守のためのポストモダン講座)
・ワクチン報道への疑問/松林 薫(逆張りのメディア論)
・「政治」と「感情」マーサ・ヌスバウムのコスモポリタニズムからの「後退」をめぐって――愛着と忠誠の政治哲学序説/白川俊介(ナショナリズム再考)
・地形と気象が生んだ中部モノづくり――情報と閉じこもり/竹村公太郎(地形がつくる日本の歴史)
・向田邦子と日本の「甘え」――言葉から考える?/施光恒(やわらか日本文化論)
・待つことが目的と化した人生の行方――『ゴドーを待ちながら』を読む/仁平千香子(移動の文学)
・編集長クライテリア日記/藤井聡
・メディア出演瓦版/平坂純一


☆【書評】
『西部邁が支持したアメリカ映画論』寺脇 研 著/田中孝太郎
『歴史なき時代に 私たちが失ったもの 取り戻すもの』與那覇 潤 著/前田龍之祐
『日本的思考の原型 民俗学の視角』高取正男 著/篠崎奏平


☆【その他】
・読者からの手紙
・〈いのち〉を失くした「大学」に送る/タリバンの原理主義と欧米の独善(鳥兜)
・自民は古い緊縮改革路線からの転換は果たせるのか/「官邸主導」という名の独善政治(保守放談)

表現者クライテリオン 2021年9月号

表現者クライテリオン 2021年9月号

発売日
2021/8/16
カテゴリ
クライテリオン

☆巻頭言

◇【特集1】日本人の死生観を問う

多くの国民に感染死をイメージさせたこの度のコロナ禍は、日本人に「死」の問題を改めて向き合う機会を半ば強制的に与えた。
結果、多くの人々は慌てふためき、過剰とも言える反応に終始した。
これはつまり、日本人において「死」の問題に向き合う機会が年々失われつつある事を、
すなわち「死」の裏側にある「生」とは何かを真剣に問う機会および精神そのものが蒸発しつつある事を改めて明らかにするものであった。
日本人の今日の目を覆うばかりの精神的頽廃の背後には、まさにこうした死生観の急速かつ著しい劣化が潜んでいることは間違いない。
本特集ではこうした認識の下、我が国の再生の縁を見い出す事を企図し、日本の伝統的な死生観を見つめ直しつつ、
今日の我が国の死生観の有り様を改めて問い直さんとするものである。


◇【特集2】保守からの近代日本批判 大東亜戦争への道
8月15日、終戦記念日と呼ばれるこの日が近づくとメディア各社は「太平洋戦争」を振り返り、
戦前を断罪する東京裁判史観に立った戦後レジームの維持・強化に大いに貢献してきた。
一方で我が国には、そうした風潮に異を唱え、大東亜戦争にも日本の大義があったと主張する「保守」勢力が存在し、
平成後期にはそれが世論において一気に拡大する情勢となった。
しかし、こうした「保守」の立場に立ってもなお、戦中戦前の近代日本のあり様を批判することは可能である、というよりもむしろ必要である。
そもそも保守であるからこそサヨクよりもより適切でしかも建設的な徹底批判が可能であるに違いないからだ。
本特集では、ホシュによる日本全肯定はサヨクによる全否定と同様に愚かな思考停止に過ぎぬとの前提の下、
大東亜戦争への道そのものに内在する欺瞞や虚無に焦点を合わせ、
保守の立場からあえて戦前戦中の近代日本批判を多面的に論ずるものである。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡


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●目次

◇【特集1】日本人の死生観を問う


[対談]
死を考えることは大衆社会への問い――国語と共同体の崩壊が導く悪夢/呉智英×藤井聡
生命至上主義という名の権威主義――人を物と見なす現代医学/和田秀樹×藤井聡
死生観を歪めた医療ビジネス主義――国民が知らない医療界の「常識」/森田洋之×藤井聡

・草葉の陰のちゝろ虫――ニヒリズムとアニミズム/井口時男
・「死」を信じるということ――森鴎外に倣って/浜崎洋介
・死と生をめぐる判断と意思決定――コロナ禍を一例として/竹村和久
・祖霊を感じる心――死者と生者の交流の民俗/中尾聡史


◇【特集2】保守からの近代日本批判 大東亜戦争への道

[座談会]
日本を取り戻す、その鍵は「武士道」にあり/前田日明×藤井聡×浜崎洋介
近代日本人の「弱さ」を問う――保守からの「大東亜戦争」再考/富岡幸一郎×中島岳志×浜崎洋介

・日本、敗れたり/小幡敏


☆【特別インタビュー】
続 養老孟司、「常識」を語る――「自足」することと、「自立」すること/聞き手 浜崎洋介
江田憲司・立憲民主党代表代行に聞く――分配なくして成長なし! 一億総中流社会の復活を! /聞き手 及川健二


☆【連載】
・「危機感のない日本」の危機――「ワクチン敗戦」などではない/大石久和
・欧米保守思想に関するエッセイ 第4回 孤高の哲人、アーヴィング・バビット Part1/伊藤貫
・郷愁(ノスタルジア)について――近代のもう一つの側面/柴山桂太(「常識【コモンセンス】」を考える)
・マルクスの亡霊たち――マルクス主義とキリスト教1/富岡幸一郎(虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー)
・小さきモノへの愛 その2――地形が生んだ将棋地形が生んだ将棋/竹村公太郎(地形がつくる日本の歴史)
・反出生主義 死者と生者の間に/平坂純一(保守のためのポストモダン講座)
・啓蒙と野蛮の間――死刑制度をいかに語るか/川端祐一郎(思想と科学の間で)
・コロナ自粛論争の「敗因」を考える/松林 薫(逆張りのメディア論)
・「コスモポリタン=コミュニタリアン論争」再考――コスモポリタニズム批判8/白川俊介(ナショナリズム再考)
・カタカナ語乱用と英語化現象 自己満足よりも正確な伝達を――言葉から考える9/施光恒(やわらか日本文化論)
・辿りつけない故郷と日本への憎悪/仁平千香子(移動の文学)
・編集長クライテリア日記/藤井聡
・メディア出演瓦版/平坂純一


☆【書評】
『死生論』西部邁 著/前田龍之祐
『「がんになって良かった」と言いたい』山口雄也・木内岳志 著/高平伸暁
『「ポスト・アメリカニズム」の世紀 転換期のキリスト教文明』藤本龍児 著/田中孝太郎
『第三の精神医学 人間学が癒やす身体・魂・霊』濱田秀伯 著/篠崎奏平


☆【その他】
・読者からの手紙
・五輪開会式に見る日本の田舎者根性/SNS時代の「人民裁判」(鳥兜)

表現者クライテリオン 2021年7月号

表現者クライテリオン 2021年7月号

発売日
2021/6/16
カテゴリ
クライテリオン

☆巻頭言

コロナ禍対策で世界各国は今、狂ったように国債発行し、政府支出を拡大している中、
我が国日本は「孫子にツケ=借金を残すような『無責任』な事をしてはならぬ」とのかけ声の下、
政府支出拡大が中途半端な緊縮的水準に留まっている。
しかし、世界各国は、現下の大不況を放置することこそが『無責任』であり、現下の国民のみならず孫子の代の暮らし考えても、
今こそ「中央銀行」の力をフル活用し、徹底的に政府支出を拡大することが求められていると認識、実践している。
つまり我が国一国が、この経済危機に対処するという『責任』を果たしてはいないのである。
かくしていま求められているのは、現代経済システムにおける「中央銀行」という存在の強力な威力を認識し、
それを踏まえたうえで孫子のために財政を徹底拡大する事を措いて他にない。
こうした認識に立つ本特集が、日本財政が正気を取り戻す一助となることを祈念したい。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡


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●目次

☆【特集1】孫子のための「財政論」 中央銀行の政治学


(対談)
ケインズ革命を加速せよ! ――中央銀行のプラグマティズム/浅田統一郎×藤井聡
コロナ禍から資本主義の「その先」へ/大澤真幸×柴山桂太

・「選択的な財政支出」が日本経済を救う――成長政策・社会保障財源としての財政出動・金融緩和/飯田泰之
・いまこそ将来世代のための政策を掲げよ/森永康平
・国家の信用はどのようにして生まれてくるのか?/仲正昌樹
・現代的貨幣理論による財政学のアップデートは可能か?/佐藤一光
・貨幣史、国家、中央銀行、そしてその先へ/望月慎
・イデオロギーとしての「中央銀行の独立性」――ニュー・コンセンサスとMMTを比較する/金濱裕


☆【特集2】コロナがもたらす教育破壊
(対談)
「若者の未来」は守れるのか? ――社会学からの処方箋/宮台真司×藤井聡

・〈われ―なんじ〉の教育論――大学の死をめぐって/浜崎洋介
・コロナで加速した学校現場の混乱――高等学校からの報告/清水一雄
・一教師のコロナ禍体験記――マスク着用が当たり前になった学校で/?江啓祐


☆【特別インタビュー】
続 養老孟司、「常識」を語る――「不気味なもの」との付き合い方 コロナ・虫・解剖学/聞き手 浜崎洋介


☆【連載】
(連載対談)
・永田町、その「政」の思想(第4回)安倍・菅内閣の官邸システムの本質/佐藤優×藤井聡

・「危機感のない日本」の危機――メディアと日本の目を覆うべき転落のコラボ/大石久和
・欧米保守思想に関するエッセイ 第3回 ソルジェニツィン Part3/伊藤貫
・マルクスの亡霊たち――思想に殺された作家たち2/富岡幸一郎(虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー)
・小さきモノへの愛 その?――日本人の原点/竹村公太郎(地形がつくる日本の歴史)
・福田和也――思想の揺らぎについて/平坂純一(保守のためのポストモダン講座)
・居場所は法の外に――日米暴走族の「自治」のエートス/川端祐一郎(思想と科学の間で)
・オオカミ少年と警鐘の倫理/松林 薫(逆張りのメディア論)
・移動の自由がもたらす「リベラル・ディストピア」――「移動せずともよい社会」を目指して?/白川俊介(ナショナリズム再考)
・「ポリティカル・コレクトネス」は多様性をもたらすのか? ――言葉から考える8/施光恒(やわらか日本文化論)
・伝統の価値――満州から独りで帰ってきた少年の話/仁平千香子(移動の文学)
・編集長クライテリア日記/藤井聡
・メディア出演瓦版/平坂純一


☆【書評】
『危機の日本史 近代日本150年を読み解く』佐藤 優・富岡幸一郎 著/前田龍之祐
『デヴィッド・ボウイ 無(ナシング)を歌った男』田中 純 著/田中孝太郎
『フィヒテ入門講義』ヴィルヘルム・G・ヤコプス 著/篠崎奏平
『計算する生命』森田真生 著/薄井大澄
『ベートーヴェンは怒っている! 闘う音楽家の言葉』野口剛夫 著/加藤真人


☆【その他】
・表現者クライテリオン信州・松本シンポジウム報告
・読者からの手紙
・「脱炭素化」の幻想「/コロナ全体主義」の心理学――エーリッヒ・フロムに倣って(鳥兜)
・基準なき国の、基準なき政府――宣言延長と五輪開催/キルケゴールとコロナ危機――〈絶望=不協和〉に喘ぐ日本人(保守放談)

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