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表現者クライテリオン 2025年11月号

表現者クライテリオン 2025年11月号

発売日
2025/10/16
カテゴリ
クライテリオン

【特集】
この国は「移民」に耐えられるのか?─脱・移民の思想


【巻頭言】
先の参院選でも最重要争点に躍り出た「移民問題」。実際、その選挙の結果として過剰な移民受け入れの抑制を主張する参政党が大躍進した一方、財界の要請を受けて移民拡大策をひたすら推進し続けた与党自民党が大敗した。

自民党が移民拡大を進めたのは今日深刻化しつつある「労働力不足」を補うためだが、リベラリズムやグローバリズムの思想の敷行が移民拡大を後押ししていることも否定できない。しかし移民拡大は、欧米各国が既にそうした問題を十二分以上に経験しているように、賃金下落や行政コストの肥大化、各種の文化的摩擦やコミュニティの分断、社会的秩序の劣化や治安の悪化をもたらしている。

本特集ではこうした認識の下、リアルな問題を軽視するリベラル思想やグローバリズム思想を背景とした労働力不足を補うための「移民」拡大を多角的に徹底検証し、その打開策を考えんとするものである。


表現者クライテリオン編集長 藤井 聡


【特集座談会】
・日本にとって必要な移民政策とは何か?/内田 樹×藤井 聡×柴山桂太

【特別対談】
・「ウィーブ」は日本に何をもたらすのか?/ノア・スミス×藤井 聡

【特集論考】
・「移民問題」の構造/藤井聡
・移民問題を考えるための覚書──フランスを参照して/堀 茂樹
・グローバリズムの失敗を反省し、まっとうな国づくり路線に回帰せよ!/施 光恒
・「移民」に耐えうる社会システムの構築へ/小﨑敏男
・英国の移民受け入れ拡大は間違いだった──私が現地で体験したこと/高尾慶子
・もう一つの外国人問題──日本国が抱えている最も深刻な外国人問題は移民問題ではない/ジェイソン・モーガン
・移民受入拡大は国家破滅への道/室伏謙一
・「脱・移民」とは何かー新自由主義とその「反動」を乗り越える道/白川俊介
・地方自治体と外国籍住民──民主主義と国民国家を護るために/金子宗德

【特別鼎談】
アジアの新世紀 彷徨うアジアの知と帝国再編(後編)/内田 樹×中田 考×山本 直輝

【生誕100年特別連載】
  三島由紀夫とは誰だったのか 第5回 三島が遺した「神話」と「革命」(後編)/執行草舟×富岡幸一郎

【連載】
・「過剰医療」の構造と「適正な医療」のかたち 第8回 医療市場の失敗/森田洋之
・アジアの新世紀 虚像の果ての中国 第3回 中国はいかに老いていくのか?──「現代の超克」という危うい試み/高口康太
・「危機感のない日本」の危機 ガソリンの暫定税率減税/大石久和
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第40回 マルクスの亡霊たち 日本人の「一神教」理解の問題点(11)/富岡幸一郎
・満洲こぼれ話 第2回 日本革新の実験場/小幡 敏
・「農」を語る 第1回 国民が知らない農協の役割とは?/久保田治己×藤井 聡
・輿那覇潤連続対談 在野の「知」を歩く 第8回 転んで進む学問のすすめ(後編)/ゲスト 荒木優太
・日本のアンチモダン 第7回 悲観主義(1) 「サヨナラだけが人生なのか」寺山修司/平坂純一
・東京ブレンバスター20 葬送の選択/但馬オサム
・編集長クライテリア日記 令和7年8月~9月/藤井 聡
リレー連載 映画とわたし 第4回 喜びも悲しみも幾年月──淡々と描かれる時代と人生/川端祐一郎

【寄稿】
・「意気地」の忘却の果てに──「男らしさ」の復権を期して/伽湊綜太郎
・平泉澄が説いた「歴史」と「人格」を読み直す──バーク、マイネッケに学んだ欧行/小野耕資

【巻末オピニオン】
・国家主義(ステイティズム)の時代──単なる反グローバリズムの先にあるもの/柴山桂太

【書評】
・『日本人の「作法」 その高貴さと卑小さについて』浜崎洋介 著/山田陣之祐
・『柳田國男の名著を読む 変革と保守の民俗学』小野耕資 著/粕谷文昭
・『国会改革の「失われた30年」』大山礼子 著/早瀬善彦
・『孤独と人生 幸福について』ショーペンハウアー 著/髙橋直也

【その他】
・「リベラリズム」の成れの果て 「移民」に抵抗できない自己喪失者たち/外国人の犯罪や迷惑行為は「過大評価」されているおか?(鳥兜)
・参政党の躍進をどう捉えるか/安楽死問題に現れる文明の成熟度/河合隼雄「中空構造日本の危機」から読む自民党総裁選(保守放談)
・塾生のページ
・読者からの手紙(投稿)


表現者クライテリオン 2025年9月号

表現者クライテリオン 2025年9月号

発売日
2025/8/16
カテゴリ
クライテリオン

【特集】
「財務省」は敵か味方か?

【特集インタビュー】
・財務省批判を超えて──真の敵はどこにいるのか/藤井 聡 [聞き手]柴山 桂太

【特集対談】
・(1)財務省はかく改革すべし──緊縮主義の呪縛を解くために/玉木雄一郎 × 藤井 聡
・(2)政治は財務省と闘えるか──日本経済再生をめぐる攻防/髙橋 洋一 × 藤井 聡

【特集論考】
・財政抑制国家からの脱却──新たな国づくりのための財務省の役割/柴山 桂太
・トランプ高関税が促す「ザイム原理主義」の廃棄/田村 秀男
・自民党はなぜ「消費税減税」を公約しなかったのか──党税調の舞台裏/須田 慎一郎
・財務省の実態、財務省の虚構──脱藩官僚から見た今の財務省/室伏 謙一
・財務省の世論工作と忖度するメディア/田中 皓介
・「財政均衡主義」の論理と心理──「無責任の体系」、再び/浜崎 洋介

【新連載】
・満洲こぼれ話 第1回“異国日本”の日本人/小幡 敏

【特別対談】
・阪神タイガース元監督・矢野燿大氏に聞く(後編)「グーグルに勝つ」メンタルの育て方/聞き手:柴山 桂太

【特別鼎談】
・アジアの新世紀 彷徨うアジアの知と帝国再編(中編)/内田 樹 × 中田 考 × 山本 直輝

【生誕100年特別連載】
・三島由紀夫とは誰だったのか 第4回 三島が遺した「神話」と「革命」(中編)/執行 草舟 × 富岡 幸一郎

【連載】
・巻頭連載 「危機感のない日本」の危機 デタラメだらけの消費税論議(+日曜の投票日)/大石久和
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第39回 マルクスの亡霊たち―日本人の「一神教」理解の問題点(10)/富岡 幸一郎
・虚像の果ての中国 第2回:イノベーションを生み出す“アジア”的ネットワークと日本の「断絶」/高口 康太
・與那覇潤 連続対談:在野の「知」を歩く 第7回 転んで進む学問のすすめ(前編)/ゲスト:荒木 優太
・「過剰医療」の構造と「適正な医療」のかたち 第7回 日本の医療の構造的な闇──求められる医療の本質/森田 洋之
・日本のアンチモダン 第6回 崇高(1) 特攻隊──崇高と美の観念の起原/平坂 純一
・風土と共同体 第6回 郷土教育運動の展開/山口 敬太
・「農」を語る 第3回 財政破綻論が日本の農業を滅ぼす/三橋 貴明 × 藤井 聡
・リレー連載 映画とわたし 第3回 ラストエンペラー──映画の「客観性」について/浜崎 洋介
・東京ブレンバスター(19) 日本人とガイジンの間に──ロイ・ジェームスを想う/但馬 オサム

【レポート】
・「表現者クライテリオン」沖縄シンポジウムを振り返る――沖縄から考える対米独立への道/藤原 昌樹

【書評】
・『「あの戦争」は何だったのか』/辻田 真佐憲 著(評:粕谷 文昭)
・『戦前日本の「聖地」ツーリズム──キリスト・日蓮・皇室』/平山 昇 著(評:小野 耕資)
・『『純粋理性批判』を立て直す──カントの誤診1』/永井 均 著(評:山田 陣之祐)
・『幸福論』アラン 著(評:髙橋 直也)

【巻末オピニオン】
・2025年参議院選挙総括──「政治もどき」の終焉を求め始めた日本国民/藤井 聡

【その他】
・塾生のページ
・投稿:読者からの手紙
・「カネ出せ、儲けよこせ、でも口出すな」という恐るべき不平等条約(鳥兜)
・小選挙区制の導入は間違いだった(鳥兜)
・石破茂はもはや子供の目に触れさせてはならない(保守放談)
・天才科学者の不気味なビジョン(保守放談)


表現者クライテリオン 2025年7月号

表現者クライテリオン 2025年7月号

発売日
2025/6/16
カテゴリ
クライテリオン

【巻頭言】
「唯一の被爆国」日本では核武装論が延々とタブー視されてきた。しかし日本の安全保障の根幹をアメリカの「核の傘」が担ってきたのは周知の事実だ。ところがトランプ大統領は今、同盟各国への核の傘の提供取りやめを暗示し始めている。この米国の変化に対し、欧州では即座にフランスの核を基軸とした安保体制の再構築議論が始められ、韓国においても核装備論が喧しく論じられ始めた。しかし日本ではそうした兆しは一向に見られない。このままではある日突然日本はアメリカが提供する核の傘を失い、中国、ロシア、北朝鮮という核を保有する「仮想敵国」に囲まれる状況に「丸裸」で放り出されかねない。そうなれば我が国は外交力をさらに失いあらゆる外交交渉で苦汁を飲まされる事になるのは必至だ。この状況下で我が国日本は一体如何なる選択をなすべきなのか一本誌ではこの問いに答えるべく、このトランプ時代において日本がなすべき核を巡る「選択」を徹底的かつ冷静に考えんとする特集を企画した。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡

【特集座談会】
・核の議論を今すぐ始めよ/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎×小幡 敏

【特集インタビュー】
・1核抑止議論から逃げる日本は滅びる/伊藤 貫 聞き手 小幡 敏
・2核武装は日本の国際社会への責任である/ロバート・D・エルドリッヂ 聞き手 小幡 敏

【特集論考】
・「核武装論」の手前でー戦後日本人の「神経症」をめぐって/浜崎洋介
・欧州の核抑止と日本核武装論/小泉 悠
・トランプ政権の安全保障政策と低下する核の傘の信頼性―高まる日本の自立防衛と核保有の必要性/矢野義昭
・「新しい戦前」だからこそ“核を考える国”でなければならない/辻田真佐憲
・フランスの核戦略とそのジレンマ/吉田 徹
・ドイツにおける核武装論―どの国の「核の傘」を選ぶのか/ライスフェルド真実
・韓国の核武装論はどこまで来ているかー問われる日本の対応/李 相哲
・徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評 第15回(最終回) 安全保障観なき霞が関に核武装論は語れない/室伏謙一
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第38回 思想としての核/富岡幸一郎

【特別対談】
・阪神タイガース元監督・矢野燿大氏に聞く(前編) チームを活かすもの、それは「共感」を生む言葉の力/聞き手 柴山桂太

【特別鼎談】
・アジアの新世紀 彷徨うアジアの知と帝国再編(前編)/内田 樹×中田 考×山本直輝

【生誕100年特別連載 三島由紀夫とは誰だったのか】
・第3回 三島が遺した「神話」と「革命」(前編)/執行草舟×富岡幸一郎

【連載】
・「過剰医療」の構造と「適正な医療」のかたち 第6回 国際比較で見える日本の医療の構造的な闇/森田洋之
・アジアの新世紀 虚像の果ての中国 第1回 なぜ中国のAIはシンギュラリティを目指さないのか?/高口康太
・「危機感のない日本」の危機―没落の根は深い――オールドメディアの終焉・続論/大石久和
・「農」を語る 第1回 第2回 食料安全保障は経済政策である/三橋貴明×藤井 聡
・日本のアンチモダン第5回 反革命(2) 九州のアンチモダン、西郷隆盛/平坂純一
・風土と共同体 第5回 郷土の思想と運動/山口敬太
・リレー連載 映画とわたし 第2回 フィールド・オブ・ドリームス「それを作れば彼はやってくる」/柴山桂太
・東京ブレンバスター(18) 選択的夫婦別姓と創氏改名/但馬オサム

【巻末オピニオン】
・野生のデーター文理が接近する時代/川端祐一郎

【寄稿】
・ブータンから見た中国の領土戦略 /酒井 肇

【書評】
・『江藤淳と加藤典洋 戦後史を歩きなおす』與那覇 潤 著/粕谷文昭
・『日本型コミューン主義の擁護と顕彰 権藤成卿の人と思想』内田 樹 著/小野耕資
・『福田恆存の手紙』福田 逸 編著/山田陣之祐
・『新編 人と人との間 精神病理学的日本論』木村 敏 著/髙橋直也

【その他】
・ロシア・ウクライナ戦争に見る「親米保守」の終わり(鳥兜)
・観光ビジネスを規制せよ(鳥兜)
・「ディール上手」なのはどちらなのか―トランプvsプーチン(保守放談)
・愚かな政策への遅すぎる反省(保守放談)
・塾生のページ
・読者からの手紙(投稿)


表現者クライテリオン 2025年5月号

表現者クライテリオン 2025年5月号

発売日
2025/4/16
カテゴリ
クライテリオン

【巻頭言】
我が国の総理、「石破茂」氏の辞任を求める声は日増しに拡大している。衆院選挙において与党大敗を招きながら辞任を拒否する等、数々の前代未聞の政治判断がその直接の原因だが、外交や国会、官邸など様々な場での平均的社会規範を逸脱した所作がその声をさらに大きく拡大させている。こうした石破氏の問題行動はいずれも政治家としてというよりも、むしろ「社会人」としての未熟さに直結するものばかりである。

それはまさに、歴史家ヨハン・ホイジンガが現代社会が冒されていると断じた「文化的小児病」(ピュエリリズム)の症例そのものだ。言うまでもなくそのような「小児」人格の人物が総理であるという事実は、それを選んだ自民党や国会、ひいては日本社会そのものが重度の文化的小児病に冒されていることを意味する。このままでは日本は、激動する世界の中で激しく没落することは不可避だ。我が国は如何にすれば、その没落を回避可能な「大人」の国家と成り果すことができるのかー 一本特集で徹底 的に考えたい。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡


〈特集〉
石破茂という恥辱
日本的小児病の研究


【特別鼎談】
・追悼 伊藤隆・福田和也・西尾幹二 保守論壇の回顧と展望(後編)/與那覇 潤×辻田真佐憲×浜崎洋介

【特集論考】
・「矮小」な指導者を生みだす「遊び」の逆説/川端祐一郎
・総理の品格ー石破茂はなぜ日本国代表者として相応しくないのか/山上信吾
・小児病国家はもう持続できない/白井 聡
・石破「拉致対応」に見る背信の歴史/島田洋一
・“クビ”のない国/小幡 敏
・さらば!「子ども政治家」たちよ/乾 正人
・与えることができない大人たち/仁平千香子
・石破茂はなぜ嫌われるのかー「大きな子どもみたいな人」の意味をめぐって/窪田順生
・「読む」/橋本由美

【生誕100年特別連載 三島由紀夫とは誰だったのか】
・第2回 三島由紀夫はいかなる意味で「行動」の人なのか/鈴木ふさ子×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎

・第7回 表現者賞発表

【新連載】
・リレー連載 映画とわたし 第1回 エクソシストー悪魔と神の相克こそ言論の原点なり/藤井 聡

【特別寄稿】
・「政権交代」への文学ー椎名麟三に読む「対米自立と中道連立」/與那覇 潤

【連載】
・「過剰医療」の構造と「適正な医療」のかたち 第5回 市民自らが死生観に寄り添う医療/森田洋之
・アジアの新世紀 「アジアの一員」の意味すること/菅野覚明
・「危機感のない日本」の危機―オールドメディアの終焉/大石久和
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第37回 マルクスの亡霊たちー 日本人の「一神教」理解の問題点9/富岡幸一郎
・「農」を語る 第1回 「農」を軽視し続けた日本政府の罪/三橋貴明×藤井 聡
・日本のアンチモダン 第4回 アナキズムからファシズムへー幸徳秋水と大杉栄/平坂純一
・徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評 第14回 空洞化する霞が関ー官僚の劣化・幼稚化/室伏謙一
・東京ブレンバスター17 アニメと歌舞伎とフェミニズム/但馬オサム
・欲望の戦後音楽ディスクガイド 第15回 Danheim / Herja/篠崎奏平
・編集長クライテリア日記 令和7年2月~3月/藤井 聡

【巻末オピニオン】
・『保守政治家 石破茂』を読むーその「人格」なき「自意識」について/浜崎洋介

【寄稿】
・2025年2月ドイツ総選挙に関するコメントー日本のコピペ報道に対するもう一つの見方/ライスフェルド真実
・狂言綺語への悶え/前田健太郎

【書評】
・『美か義か 日本人の再興』新保祐司 著/小野耕資
・『読めない人のための村上春樹入門』仁平千香子 著/山田陣之祐
・『村上春樹で出会うこころ』河合俊雄 著/髙橋直也
・『ネオリベラリズム概念の系譜 1834-2022』下村晃平 著/粕谷文昭

【その他】
・トランプとの喧嘩に腹を括れ(鳥兜)
・総理以前に「社会人」として資質を欠く「石破茂」(鳥兜)
・悲観は気分だが楽観は意志である(保守放談)
・過酷なEV市場(保守放談)
・塾生のページ
・読者からの手紙(投稿)


表現者クライテリオン 2025年3月号

表現者クライテリオン 2025年3月号

発売日
2025/2/15
カテゴリ
クライテリオン

【巻頭言】
ドナルド・トランプ氏が米国大統領に就任した。第一期政権の時にやり通すことが出来なかった Make America Great Againの志を完遂すべく、アメリカ・ファーストを基本理念とした関税引き上げ、同盟国の防衛軍事負担の拡充、パリ協定・WHOからの脱退、LGBT路線の停止等これまでの平均的な政治常識を覆す巨大な政策転換を図ろうとしている。

 これで同盟国を自ら標榜するも、その実、米国の「保護領」「属国」に過ぎない我が国日本は激しいディープ・インパクトを受ける事は必至だ。しかしこのインパクトを我々は如何に受け止めるのかーー単にトランプを「危機」と捉えその「対応」を目指す外交に終始するのか、それともその危機の存在を慎重に吟味しながらもそれでもなお積極的に「好機」と捉えそれを「活用」せんとするのか?この選択は今後の我が国日本の命運を決定付ける極めて重大なものとして今、我が国の眼前に提示されている。表現者クライテリオンではまさにこの問題を、本特集にて包括的かつ徹底的に考えたい。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡


〈特集〉
トランプは“危機”か“好機”か?

【特別鼎談】
・追悼 伊藤隆・福田和也・西尾幹二 保守論壇の回顧と展望(前編)/與那覇 潤×辻田真佐憲×浜崎洋介

【特集論考】
・石破政権である限り「トランプ」は危機となるー今こそ「自主独立」を目指す政権を樹立せよ/藤井 聡
・庶民ファーストの国際秩序を目指せー第二次トランプ政権への期待/施 光恒
・「アメリカ覇権の衰退」にどう立ち向かうかー問われる戦後日本の新たな構想/吉田 徹
・日本の食と農の独立に向けてー「占領政策」から脱却せよ/鈴木宣弘
・米国と共に日本は愚かな脱炭素を止めるべきだ/杉山大志
・日本でも「保守革命」「トランプ革命」を実現せよ!/渡瀬裕哉
・連載 徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評 第13回 霞が関は対トランプ外交に平衡感覚を持つことが出来るのか?/室伏謙一

【生誕100年特別連載 三島由紀夫とは誰だったのか】
・第1回 昭和100年の三島由紀夫、日本人の再生に向けて/鈴木ふさ子×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎

【連載】
・「過剰医療」の構造と「適正な医療」のかたち 第4回 医師が自ら信頼関係を築く医療は本当にコストが高いのか?/森田洋之
・アジアの新世紀 不可視のイスラーム帝国 ユーラシアを再編する学僧たち 第4回 漢語で語られるイスラーム/山本直輝
・「危機感のない日本」の危機―空疎そのものの選挙公報/大石久和
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第三十六回 マルクスの亡霊たちー 日本人の「一神教」理解の問題点8/富岡幸一郎
・「農」を語る 第3回 浅はかなビジネスマインドが国土を滅ぼす/内田 樹×藤井 聡
・連続対談 在野の「知」を歩く 第6回 「議論しないフェミニズム」はどこへ向かうのか?(後編)/與那覇潤(ゲスト 柴田英里)
・日本のアンチモダン 第3回 早稲田大学で立ち上がる反近代の狼煙について/平坂純一
・やわらか日本文化論 政治学者が文化に関心を持つ理由/施 光恒
・東京ブレンバスター16 アメリカは宗教国家である/但馬オサム
・欲望の戦後音楽ディスクガイド 第14回 Penguin Cafe Orchestra / Music from the Penguin Café / Hellbilly Deluxe/篠崎奏平
・編集長クライテリア日記 令和六年十二月~令和七年一月/藤井 聡

【巻末オピニオン】
・世界経済の破壊か再生かートランプ2.0の分岐点/柴山桂太

【寄稿】
・現代社会における文化の意義について/山口敬太
・日本を愛するために山に登れー知られざる日本人、志賀重昂/小野耕資

【書評】
・『三島由紀夫 海の詩学 「花ざかりの森」へ』鈴木ふさ子 著/富岡幸一郎
・『小林秀雄、吉本隆明、福田恆存―日本人の「断絶」を乗り越える』浜崎洋介/髙橋直也
・『ルポ 国威発揚 「再プロパガンダ化」する世界を歩く』辻田真佐憲 著/粕谷文昭
・『国体とデモクラシー 密造される共和主義』住友陽文 著/小野耕資

【その他】
・トランプの再来で、「ごっこの世界」は終わるのか?(鳥兜)
・ステレオタイプを疑えーAI時代の黄禍論(鳥兜)
・インバウンドは我慢の限界(保守放談)
・「考えられない事件」の裏にあるもの――〈均衡=道徳〉を甦らせるために(保守放談)
・塾生のページ
・読者からの手紙(投稿)


表現者クライテリオン 2025年1月号

表現者クライテリオン 2025年1月号

発売日
2024/12/16
カテゴリ
クライテリオン

政府という「権力」は国民によって制御されるべしというのが国民国家の大前提だ。しかし日本の政治は財務省や米国や中国共産党、さらには国内外の資本家達等に大きな影響を受けているし、米国においてもCIA、FBIや金融や軍事等を含めた産業界の上層部もまた米国民の意志とは独立に米政府に巨大な影響を及ぼしている。トランプ次期米大統領は政府の影に潜むそうした諸勢力を「ディープステート」(闇の政府:DS)と呼称し、その解体を最重要公約の一つとして掲げ、大統領選に勝利した。

  しかし、このDS論に対しては「無根拠な陰謀論だ」と否定する論者は多い。デイープ「ステート」と呼ばれるような「しっかりとした一個の組織・機構」などあるわけないというのがその趣旨だ。まさにその通りだ。しかしそれでもなお、政府という「権力」を動かす別の「権力」が存在することは動かしがたい事実だ。ついては本誌では、DS説に代表される素朴な「陰謀論」とは一線を画しつつ、国内外政府内外の各種の「権力」がどのような構図の下、政府という「表の権力」に影響を及ぼしているのかを考える特集をここに企画した。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡


〔特集〕
権力を動かす「権力」の構造

【特集インタビュー】

・ディープステートは全く「ディープ」ではないーグローバリストたちの浅はかな選民思想/ジェイソン・モーガン 聞き手 川端祐一郎

【特集論考】
・トランプ勝利は予言されていたー「闇の政府」を生んだ温床は何か/会田弘継
・シンガポール日ロ首脳会談の舞台裏ー「日本版ディープステイト」の考現学/佐藤 優
・資本主義リアリズムの時代における陰謀論の必然/白井 聡
・アメリカ民主主義の危機とは何かーディープ・ステイト解体」に突き進む第二期トランプ政権/井上弘貴
・財務省は「日本版DS」なのかー財政民主主義を脅かす存在の正体/須田慎一郎
・農業・農協を破壊する「権力」の仕掛け/久保田治己
・連載 徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評 第12回 誰が政策過程に影響を与えているのか?/室伏謙一

【連載】
・文学座談会 神なきあとの「不条理」を生きる―フランツ・カフカ『城』を読む(後編)/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
・「過剰医療」の構造と「適正な医療」のかたち 第3回 医療の限界/森田洋之
・アジアの新世紀 不可視のイスラーム帝国 ユーラシアを再編する学僧たち 第3回 京都にタリバンがやってきた/山本直輝
・「危機感のない日本」の危機―移民国家へと進む知能喪失の国/大石久和
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第三十五回 マルクスの亡霊たちー 日本人の「一神教」理解の問題点7/富岡幸一郎
・「農」を語る 第2回 対米自立の気概こそ「農を語る」根幹/内田 樹×藤井 聡
・連続対談 在野の「知」を歩く 第5回 「議論しないフェミニズム」はどこへ向かうのか?(前編)/與那覇潤(ゲスト 柴田英里)
・日本のアンチモダン 第2回 反革命1 明治維新のアンチモダニズム/平坂純一
・風土と共同体 第四回 コミュニティ政策の射程/山口敬太
・東京ブレンバスター15 LGBTとフェミニズムとGAY/但馬オサム
・欲望の戦後音楽ディスクガイド 第13回 Rob Zombie / Hellbilly Deluxe/篠崎奏平
・編集長クライテリア日記 令和六年十月~十一月/藤井 聡

【巻末オピニオン】
・日本はトランプ政権誕生を機に「独立」の道を歩むべし/藤井 聡

【書評】
・『農協が日本人の“食と命”を守り続ける!』久保田治己 著/小野耕資
・『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ vol.1~4』魚 豊 著/粕谷文昭
・『師弟のまじわり』ジョージ・スタイナー 著/前田龍之祐
・『日本人が学ぶべき西洋哲学入門 なぜ、彼らはそう考えるのか?』ジェイソン・モーガン=茂木 誠 著/髙橋直也

【その他】
・斎藤元彦知事問題の本質、見誤るべからず(鳥兜)
・からっぽの国のうつろな宰相(鳥兜)
・中国の「独立自尊」を見習え(保守放談)
・教派神道と三島由紀夫――日本人の宗教について(保守放談)
・塾生のページ
・読者からの手紙(投稿)

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