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表現者クライテリオン 2025年5月号

表現者クライテリオン 2025年5月号

発売日
2025/4/16
カテゴリ
クライテリオン

【巻頭言】
我が国の総理、「石破茂」氏の辞任を求める声は日増しに拡大している。衆院選挙において与党大敗を招きながら辞任を拒否する等、数々の前代未聞の政治判断がその直接の原因だが、外交や国会、官邸など様々な場での平均的社会規範を逸脱した所作がその声をさらに大きく拡大させている。こうした石破氏の問題行動はいずれも政治家としてというよりも、むしろ「社会人」としての未熟さに直結するものばかりである。

それはまさに、歴史家ヨハン・ホイジンガが現代社会が冒されていると断じた「文化的小児病」(ピュエリリズム)の症例そのものだ。言うまでもなくそのような「小児」人格の人物が総理であるという事実は、それを選んだ自民党や国会、ひいては日本社会そのものが重度の文化的小児病に冒されていることを意味する。このままでは日本は、激動する世界の中で激しく没落することは不可避だ。我が国は如何にすれば、その没落を回避可能な「大人」の国家と成り果すことができるのかー 一本特集で徹底 的に考えたい。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡


〈特集〉
石破茂という恥辱
日本的小児病の研究


【特別鼎談】
・追悼 伊藤隆・福田和也・西尾幹二 保守論壇の回顧と展望(後編)/與那覇 潤×辻田真佐憲×浜崎洋介

【特集論考】
・「矮小」な指導者を生みだす「遊び」の逆説/川端祐一郎
・総理の品格ー石破茂はなぜ日本国代表者として相応しくないのか/山上信吾
・小児病国家はもう持続できない/白井 聡
・石破「拉致対応」に見る背信の歴史/島田洋一
・“クビ”のない国/小幡 敏
・さらば!「子ども政治家」たちよ/乾 正人
・与えることができない大人たち/仁平千香子
・石破茂はなぜ嫌われるのかー「大きな子どもみたいな人」の意味をめぐって/窪田順生
・「読む」/橋本由美

【生誕100年特別連載 三島由紀夫とは誰だったのか】
・第2回 三島由紀夫はいかなる意味で「行動」の人なのか/鈴木ふさ子×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎

・第7回 表現者賞発表

【新連載】
・リレー連載 映画とわたし 第1回 エクソシストー悪魔と神の相克こそ言論の原点なり/藤井 聡

【特別寄稿】
・「政権交代」への文学ー椎名麟三に読む「対米自立と中道連立」/與那覇 潤

【連載】
・「過剰医療」の構造と「適正な医療」のかたち 第5回 市民自らが死生観に寄り添う医療/森田洋之
・アジアの新世紀 「アジアの一員」の意味すること/菅野覚明
・「危機感のない日本」の危機―オールドメディアの終焉/大石久和
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第37回 マルクスの亡霊たちー 日本人の「一神教」理解の問題点9/富岡幸一郎
・「農」を語る 第1回 「農」を軽視し続けた日本政府の罪/三橋貴明×藤井 聡
・日本のアンチモダン 第4回 アナキズムからファシズムへー幸徳秋水と大杉栄/平坂純一
・徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評 第14回 空洞化する霞が関ー官僚の劣化・幼稚化/室伏謙一
・東京ブレンバスター17 アニメと歌舞伎とフェミニズム/但馬オサム
・欲望の戦後音楽ディスクガイド 第15回 Danheim / Herja/篠崎奏平
・編集長クライテリア日記 令和7年2月~3月/藤井 聡

【巻末オピニオン】
・『保守政治家 石破茂』を読むーその「人格」なき「自意識」について/浜崎洋介

【寄稿】
・2025年2月ドイツ総選挙に関するコメントー日本のコピペ報道に対するもう一つの見方/ライスフェルド真実
・狂言綺語への悶え/前田健太郎

【書評】
・『美か義か 日本人の再興』新保祐司 著/小野耕資
・『読めない人のための村上春樹入門』仁平千香子 著/山田陣之祐
・『村上春樹で出会うこころ』河合俊雄 著/髙橋直也
・『ネオリベラリズム概念の系譜 1834-2022』下村晃平 著/粕谷文昭

【その他】
・トランプとの喧嘩に腹を括れ(鳥兜)
・総理以前に「社会人」として資質を欠く「石破茂」(鳥兜)
・悲観は気分だが楽観は意志である(保守放談)
・過酷なEV市場(保守放談)
・塾生のページ
・読者からの手紙(投稿)


表現者クライテリオン 2025年3月号

表現者クライテリオン 2025年3月号

発売日
2025/2/15
カテゴリ
クライテリオン

【巻頭言】
ドナルド・トランプ氏が米国大統領に就任した。第一期政権の時にやり通すことが出来なかった Make America Great Againの志を完遂すべく、アメリカ・ファーストを基本理念とした関税引き上げ、同盟国の防衛軍事負担の拡充、パリ協定・WHOからの脱退、LGBT路線の停止等これまでの平均的な政治常識を覆す巨大な政策転換を図ろうとしている。

 これで同盟国を自ら標榜するも、その実、米国の「保護領」「属国」に過ぎない我が国日本は激しいディープ・インパクトを受ける事は必至だ。しかしこのインパクトを我々は如何に受け止めるのかーー単にトランプを「危機」と捉えその「対応」を目指す外交に終始するのか、それともその危機の存在を慎重に吟味しながらもそれでもなお積極的に「好機」と捉えそれを「活用」せんとするのか?この選択は今後の我が国日本の命運を決定付ける極めて重大なものとして今、我が国の眼前に提示されている。表現者クライテリオンではまさにこの問題を、本特集にて包括的かつ徹底的に考えたい。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡


〈特集〉
トランプは“危機”か“好機”か?

【特別鼎談】
・追悼 伊藤隆・福田和也・西尾幹二 保守論壇の回顧と展望(前編)/與那覇 潤×辻田真佐憲×浜崎洋介

【特集論考】
・石破政権である限り「トランプ」は危機となるー今こそ「自主独立」を目指す政権を樹立せよ/藤井 聡
・庶民ファーストの国際秩序を目指せー第二次トランプ政権への期待/施 光恒
・「アメリカ覇権の衰退」にどう立ち向かうかー問われる戦後日本の新たな構想/吉田 徹
・日本の食と農の独立に向けてー「占領政策」から脱却せよ/鈴木宣弘
・米国と共に日本は愚かな脱炭素を止めるべきだ/杉山大志
・日本でも「保守革命」「トランプ革命」を実現せよ!/渡瀬裕哉
・連載 徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評 第13回 霞が関は対トランプ外交に平衡感覚を持つことが出来るのか?/室伏謙一

【生誕100年特別連載 三島由紀夫とは誰だったのか】
・第1回 昭和100年の三島由紀夫、日本人の再生に向けて/鈴木ふさ子×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎

【連載】
・「過剰医療」の構造と「適正な医療」のかたち 第4回 医師が自ら信頼関係を築く医療は本当にコストが高いのか?/森田洋之
・アジアの新世紀 不可視のイスラーム帝国 ユーラシアを再編する学僧たち 第4回 漢語で語られるイスラーム/山本直輝
・「危機感のない日本」の危機―空疎そのものの選挙公報/大石久和
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第三十六回 マルクスの亡霊たちー 日本人の「一神教」理解の問題点8/富岡幸一郎
・「農」を語る 第3回 浅はかなビジネスマインドが国土を滅ぼす/内田 樹×藤井 聡
・連続対談 在野の「知」を歩く 第6回 「議論しないフェミニズム」はどこへ向かうのか?(後編)/與那覇潤(ゲスト 柴田英里)
・日本のアンチモダン 第3回 早稲田大学で立ち上がる反近代の狼煙について/平坂純一
・やわらか日本文化論 政治学者が文化に関心を持つ理由/施 光恒
・東京ブレンバスター16 アメリカは宗教国家である/但馬オサム
・欲望の戦後音楽ディスクガイド 第14回 Penguin Cafe Orchestra / Music from the Penguin Café / Hellbilly Deluxe/篠崎奏平
・編集長クライテリア日記 令和六年十二月~令和七年一月/藤井 聡

【巻末オピニオン】
・世界経済の破壊か再生かートランプ2.0の分岐点/柴山桂太

【寄稿】
・現代社会における文化の意義について/山口敬太
・日本を愛するために山に登れー知られざる日本人、志賀重昂/小野耕資

【書評】
・『三島由紀夫 海の詩学 「花ざかりの森」へ』鈴木ふさ子 著/富岡幸一郎
・『小林秀雄、吉本隆明、福田恆存―日本人の「断絶」を乗り越える』浜崎洋介/髙橋直也
・『ルポ 国威発揚 「再プロパガンダ化」する世界を歩く』辻田真佐憲 著/粕谷文昭
・『国体とデモクラシー 密造される共和主義』住友陽文 著/小野耕資

【その他】
・トランプの再来で、「ごっこの世界」は終わるのか?(鳥兜)
・ステレオタイプを疑えーAI時代の黄禍論(鳥兜)
・インバウンドは我慢の限界(保守放談)
・「考えられない事件」の裏にあるもの――〈均衡=道徳〉を甦らせるために(保守放談)
・塾生のページ
・読者からの手紙(投稿)


表現者クライテリオン 2025年1月号

表現者クライテリオン 2025年1月号

発売日
2024/12/16
カテゴリ
クライテリオン

政府という「権力」は国民によって制御されるべしというのが国民国家の大前提だ。しかし日本の政治は財務省や米国や中国共産党、さらには国内外の資本家達等に大きな影響を受けているし、米国においてもCIA、FBIや金融や軍事等を含めた産業界の上層部もまた米国民の意志とは独立に米政府に巨大な影響を及ぼしている。トランプ次期米大統領は政府の影に潜むそうした諸勢力を「ディープステート」(闇の政府:DS)と呼称し、その解体を最重要公約の一つとして掲げ、大統領選に勝利した。

  しかし、このDS論に対しては「無根拠な陰謀論だ」と否定する論者は多い。デイープ「ステート」と呼ばれるような「しっかりとした一個の組織・機構」などあるわけないというのがその趣旨だ。まさにその通りだ。しかしそれでもなお、政府という「権力」を動かす別の「権力」が存在することは動かしがたい事実だ。ついては本誌では、DS説に代表される素朴な「陰謀論」とは一線を画しつつ、国内外政府内外の各種の「権力」がどのような構図の下、政府という「表の権力」に影響を及ぼしているのかを考える特集をここに企画した。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡


〔特集〕
権力を動かす「権力」の構造

【特集インタビュー】

・ディープステートは全く「ディープ」ではないーグローバリストたちの浅はかな選民思想/ジェイソン・モーガン 聞き手 川端祐一郎

【特集論考】
・トランプ勝利は予言されていたー「闇の政府」を生んだ温床は何か/会田弘継
・シンガポール日ロ首脳会談の舞台裏ー「日本版ディープステイト」の考現学/佐藤 優
・資本主義リアリズムの時代における陰謀論の必然/白井 聡
・アメリカ民主主義の危機とは何かーディープ・ステイト解体」に突き進む第二期トランプ政権/井上弘貴
・財務省は「日本版DS」なのかー財政民主主義を脅かす存在の正体/須田慎一郎
・農業・農協を破壊する「権力」の仕掛け/久保田治己
・連載 徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評 第12回 誰が政策過程に影響を与えているのか?/室伏謙一

【連載】
・文学座談会 神なきあとの「不条理」を生きる―フランツ・カフカ『城』を読む(後編)/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
・「過剰医療」の構造と「適正な医療」のかたち 第3回 医療の限界/森田洋之
・アジアの新世紀 不可視のイスラーム帝国 ユーラシアを再編する学僧たち 第3回 京都にタリバンがやってきた/山本直輝
・「危機感のない日本」の危機―移民国家へと進む知能喪失の国/大石久和
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第三十五回 マルクスの亡霊たちー 日本人の「一神教」理解の問題点7/富岡幸一郎
・「農」を語る 第2回 対米自立の気概こそ「農を語る」根幹/内田 樹×藤井 聡
・連続対談 在野の「知」を歩く 第5回 「議論しないフェミニズム」はどこへ向かうのか?(前編)/與那覇潤(ゲスト 柴田英里)
・日本のアンチモダン 第2回 反革命1 明治維新のアンチモダニズム/平坂純一
・風土と共同体 第四回 コミュニティ政策の射程/山口敬太
・東京ブレンバスター15 LGBTとフェミニズムとGAY/但馬オサム
・欲望の戦後音楽ディスクガイド 第13回 Rob Zombie / Hellbilly Deluxe/篠崎奏平
・編集長クライテリア日記 令和六年十月~十一月/藤井 聡

【巻末オピニオン】
・日本はトランプ政権誕生を機に「独立」の道を歩むべし/藤井 聡

【書評】
・『農協が日本人の“食と命”を守り続ける!』久保田治己 著/小野耕資
・『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ vol.1~4』魚 豊 著/粕谷文昭
・『師弟のまじわり』ジョージ・スタイナー 著/前田龍之祐
・『日本人が学ぶべき西洋哲学入門 なぜ、彼らはそう考えるのか?』ジェイソン・モーガン=茂木 誠 著/髙橋直也

【その他】
・斎藤元彦知事問題の本質、見誤るべからず(鳥兜)
・からっぽの国のうつろな宰相(鳥兜)
・中国の「独立自尊」を見習え(保守放談)
・教派神道と三島由紀夫――日本人の宗教について(保守放談)
・塾生のページ
・読者からの手紙(投稿)

表現者クライテリオン 2024年11月号

表現者クライテリオン 2024年11月号

発売日
2024/10/16
カテゴリ
クライテリオン

産業革命から20世紀までの少なくとも二世紀以上の間、世界は確かに「欧米の時代」であった。欧米は帝国主義で世界を席巻し、戦後においてもグローバル経済を支配していたのが欧米であった。しかし、21世紀の初頭から徐々にその絶大な支配力も陰りを見せるようになる。とりわけ新興勢力である中国・インドの経済を中心とした勢力拡大は目を見張るものがある。

  日本はこれまで明治の「脱亜入欧」以来、欧米偏重の政治社会運営を続け、とりわけ戦後では「米国一辺倒」の態度を加速させてきたが、今日ではそうした方針の不合理性はさらに拡大しつつある。

  こうした状況を踏まえれば、欧米に対して、改めて疑義の念を抱く態度をあえて形成していく試みは、我が国の再生、復活を考えるために重大な意義がある。ついては本誌では日本が「アジアの国」であるという当たり前の認識を改めて自覚し直し、欧米偏重、米国一辺倒の態度を改めると同時に、西洋との共存共栄を前提とした「アジアの新世紀」の到来を構想せんとする特集をここに企画することとした。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡


【「指導者」の条件・特別インタビュー】
1、リーダーの矜持とは何か――松下幸之助から学んだこと/高市早苗(聞き手 藤井 聡)
2、古いシステムにこだわる「師匠」こそが問題だ!/北野 武(聞き手 藤井 聡)

〔特集〕

反欧米論――「アジアの新世紀」に向けて

【特集座談会】
・東洋的文明の「価値」を問い直す/片山杜秀×藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎

【特集インタビュー】
・「ワシントン」の腐敗といかに戦うか?――グローバリズムからパーソナリズムへ/ジェイソン・モーガン(聞き手 川端祐一郎)

【特集論考】
・「西洋の没落」、再び――経験の貧困をめぐって/浜崎洋介
・日本は欧米でもアジアでもない「中間」を模索せよ/辻田真佐憲
・現代日本人は「西洋近代」に代わる枠組を提示できるのか?――石原莞爾・保田與重郎・林房雄を手掛かりに/金子宗德
・アジアは世界なり――多極化の時代のはじまり/大場一央
・(新連載)日本のアンチモダン 第1回 オリエンタル・オリエンテーション、あるいは、すべての愛煙家たち/平坂純一
・(連載)徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評 第11回 なぜ日本では移民受入政策が進められ続けてきたのか?/室伏謙一
・(文学座談会)神なきあとの「不条理」を生きる――フランツ・カフカ『城』を読む(前編)/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎

【連載】
・「農」を語る 対米従属で日本の「農」は滅びる(第1回)/内田 樹×藤井 聡
・「危機感のない日本」の危機――朝日新聞の問題報道/大石久和
・「過剰医療」の構造と「適正な医療」のかたち 第2回 きずな貯金とSocial Capital/森田洋之
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第三十四回 マルクスの亡霊たち 日本人の「一神教」理解の問題点6/富岡幸一郎
・連続対談 在野の「知」を歩く 第4回 「能力」は個人のもの?(後編)/與那覇潤(ゲスト 勅使川原真衣)
・風土と共同体 第三回 土地と文化に基づいた共同性の再構築へ/山口敬太
・欲望の戦後音楽ディスクガイド 第12回 Throbbing Gristle / The Second Annual Report/篠崎奏平
・東京ブレンバスター14 在日というブンガク/但馬オサム
・編集長クライテリア日記 令和六年八月~九月/藤井 聡

【巻末オピニオン】
・国民の秩序感覚/川端祐一郎

【書評】
・『宗教地政学で読み解くタリバン復権と世界再編』中田 考 著/田中孝太郎
・『戦う江戸思想 「日本」は江戸時代につくられた』大場一央 著/粕谷文昭
・『生きのびるための事務』坂口恭平 著/前田龍之祐
・『青嵐会秘録』菅谷幸浩 著/小野耕資

【その他】
・魔王の遺告(ゆいごう)/前田健太郎(寄稿)
・福田和也とその時代 追悼・福田和也(鳥兜)
・もう一つの「パワーシフト」(鳥兜)
・言いっぱなしの新首相(保守放談)
・師弟の否定と、西洋の没落――そのニヒリズムの根源(保守放談)
・塾生のページ
・読者からの手紙(投稿)

表現者クライテリオン 2024年9月号

表現者クライテリオン 2024年9月号

発売日
2024/8/16
カテゴリ
クライテリオン

今日我が国では政界や財界等の劣化、腐敗の度は目を覆うばかりの水準に達している。
そしてこの認識の下、人々の適切な振る舞いを導き得る「適切な仕組み」を構築すべしと
叫ばれることがしばしばとなり、様々な「改革」が断行されてきている。しかし、どんな
愚かな指導者であろうとも一定以上の組織的成果が期待できる「仕組み」等というものは
単なる「幻想」の類に過ぎない。実際、構造改革をどれだけ繰り返そうが、我が国の各組織
の劣化や腐敗を食い止める事など全くできていないのが実態だ。

   では、政府を含めたあらゆる組織の能力を最大化せしめる「素晴らしき指導者」とは一体
どのような存在なのか? 本特集では、こうした問題意識の下、「『指導者』の条件」と
題した特集を企画することとした。
 そして特に本特集においては、これもまた「当たり前」の話でありながら昨今の組織論、
改革論で看過され続けてきた、指導者の“徳”や“品格”の問題に焦点を当てる。そして
指導者の“徳”や“品格”こそが、指導者として欠くべからざる第一条件なのだという思想
を、様々な歴史的事実や事例等も交えながら多角的に本特集にて論ずることとしたい。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡


〔特集〕
「指導者」の条件――“徳”と“品格”の思想

【特集座談会】

・経営者よ、「徳」を取り戻せ/岩尾俊兵×藤井 聡×柴山桂太

【特集論考】
・ひたすら名誉を追求する政治家が指導者にふさわしい/佐藤 優
・大衆に駆逐された「田中角栄」的精神は今、復活し得るのか?/藤井 聡
・民は之を由らしむべし 知らしむべからず――「徳」を忘れた近代日本の総決算を!/大場一央
・信仰なき者には使命感もない――李登輝総統の教え/仁平千香子
・真の指導者に宿る「誇り」とは何か――乃木希典を例に/執行草舟
・現場指揮官に見る指導者の条件/小幡 敏
・菊池寛小論――その「通俗性なき大衆性」について/浜崎洋介
・権力道徳の体現者、北条泰時/柴山桂太

【特別対談】
・戦後八十年を問い直す――日本を蝕む「新しい全体主義」/西村幸祐×富岡幸一郎

【新連載】
・「過剰医療」の構造と「適正な医療」のかたち 第1回 「適正な医療のかたち」を探る旅へ/森田洋之

【連載】
・連続対談 在野の「知」を歩く 第3回 「能力」は個人のもの?(前編)/與那覇潤(ゲスト 勅使川原真衣)
・巻頭連載「危機感のない日本」の危機――宗教は微妙な問題だが……/大石久和
・「農」を語る 第3回 過疎地の産業を復興し、国力を上げよ/山極壽一×藤井 聡 
・アジアの新世紀 不可視のイスラーム帝国――ユーラシアを再編する学僧たち 第2回 瀉瓶相承のイスラーム学/山本直輝
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第三十三回 マルクスの亡霊たち 日本人の「一神教」理解の問題点5/富岡幸一郎
・風土と共同体 第二回 風土再生の根本問題(二)/山口敬太
・徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評 第10回 なぜ財政再建は最重要課題とされるのか?/室伏謙一
・映画で語る保守思想 第12回 絶望の淵で見出す「希望」とは? 『ペパーミント・キャンディー』を題材に(後編)/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
・やわらか日本文化論 社会通念の意義を論じよう!/施 光恒
・ひこばえ 風土に根ざす智慧と美徳 第三回 あわい、その妙。―日本における曖昧と矛盾―/首藤小町
・東京ブレンバスター13  トランプ再選に期待をかける金正恩/但馬オサム
・欲望の戦後音楽ディスクガイド 第11回 Beyonc? / Cowboy Carter/篠崎奏平
・編集長クライテリア日記 令和六年六月~七月/藤井 聡

【巻末オピニオン】
・西田幾多郎ノート――「純粋経験」を継ぐものたち/浜崎洋介

【書評】
・『絶望の果ての戦後論 文学から読み解く日本精神のゆくえ』浜崎洋介 編著/首藤小町
・『西田幾多郎 分断された世界を乗り越える』櫻井 歓 著/前田龍之祐
・『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』三宅香帆 著/粕谷文昭
・『岡倉天心『茶の本』の世界』岡倉登志 著/小野耕資
・『政治哲学 グローバル化のなかの共生倫理を考える』白川俊介 著/田中孝太郎

【その他】
・都知事選総括 ポピュラリストによるポピュリストの完全凌駕(鳥兜)
・「脱米」を進めよ(鳥兜)
・「石丸構文」とは何か――マウンティング精神のおぞましさ(保守放談)
・五輪選手への「本末転倒」な処分(保守放談)
・塾生のページ
・読者からの手紙(投稿)

表現者クライテリオン 2024年7月号

表現者クライテリオン 2024年7月号

発売日
2024/6/14
カテゴリ
クライテリオン

☆巻頭言

今日、自民党は一般に「保守政党」だと見なされている。自民党自身も自らを、常に進歩を目指す「保守政党」だと自己規定してもいる。しかし、自由民主党はそもそもLiberal Democratic Party(=リベラル・デモクラティック党)であり、党名からして保守というよりもむしろ「リベラル」政党だ。しかも民のリベラル(自由主義)的傾向が強ければ、「自由民主」という言葉は「自由自由」を意味するものとなり、ますますリベラル政党だということとなる。そう考えれば、自民党が、今もなお日本国民の内に残されている良質な伝統や文化を「保守」するどころか「破壊」する傾きを持つ新自由主義やグローバリズムや移民政策等の推進といった、保守というよりはむしろリベラルな諸方針を強力に推進し続けているのも、必然だということもできる。

この状況の中で、支持する政党を見失ってしまうこととなったのが、保守的傾向を持つ人々だ。かつて自民党は彼らの受け皿としても機能していた一方、彼らの多くが今、過剰な新自由主義の推進方針やLGBT関連法案等に反発する恰好で自民党から離れ始めている。そしていま、日本保守党や参政党、日本維新の会などの保守を標榜する新しい政党群が生まれ始めている。

ついては「危機と対峙する保守思想誌」たる本誌では、日本の政治の立て直し、そして戦後政治の超克を企図し、今日本で求められるべき「保守」政治とは一体如何なるものなのか、そして今、自民党を中心とした各種政党が標榜する「保守」というものが一体如何ほどにそこから乖離しているのかを改めて問う特集『自民党は「保守政党」なのか?』をここに編纂することとした。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡


目次
【特集座談会】

・日本において「保守政治」は可能か?/吉田 徹×白井 聡×藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
・自由と民主だけでは「保守政党」にあらず/伊吹文明×藤井 聡
・自民党はなぜ劣化したのか/小沢一郎×堀 茂樹×藤井 聡×柴山桂太


【特集論考】
・自民党は何を保守すべきなのか―自民党は何を保守すべきなのか/西田昌司
・保守にとっての「ヘゲモニー」の戦略/仲正昌樹
・食料・農業・農村を犠牲にして我が身を守るのは保守ではない/鈴木宣弘
・現代日本社会における保守政党と自民党/西田亮介
・「質の高い普通の人々」を生み出し続ける国づくりをめざせ!/施 光恒


【新連載】
・風土と共同体 第一回 風土再生の根本問題(一)/山口敬太


【連載】
・「危機感のない日本」の危機―東京一極集中による国家崩壊の恐怖/大石久和
・與那覇潤連続対談 在野の「知」を歩く 第2回 古典をよむのは「逆張り」ですか?(後編)/ゲスト 綿野恵太
・「農」を語る 第2回 世界に誇るべき日本の小規模農業/山極壽一×藤井 聡
・アジアの新世紀 新連載 不可視のイスラーム帝国 ユーラシアを再編する学僧たち 第1回 修行のイスラーム文化/山本直輝
・映画で語る保守思想 第11回 絶望の淵で見出す「希望」とは?―『ペパーミント・キャンディー』を題材に(中編)/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第三十二回 マルクスの亡霊たち―日本人の「一神教」理解の問題点④/富岡幸一郎
・徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評 第9回 規制改革の舞台裏/室伏謙一
・ひこばえ 風土に根ざす智慧と美徳 第二回 着物と刀―想いをまとい、美を携える―/首藤小町
・経世済民 虫の目・鳥の目 第8回(最終回) 金融教育が日本を滅ぼさないために/田内 学
・欲望の戦後音楽ディスクガイド 第10回 OKI / No One's Land/篠崎奏平
・東京ブレンバスター⑫ ミツ荒川とオッペンハイマー/但馬オサム



【巻末オピニオン】
・徳と鏡―政治改革論に足りないもの/柴山桂太


【書評】
・『ておくれの現代社会論 ○○と□□ロジー』中島啓勝 著/田中孝太郎
・『政治哲学とイデオロギー レオ・シュトラウスの政治哲学論』早瀬善彦 著/杉谷和哉
・『末裔』絲山秋子 著/橋場麻由
・『たまたま、この世界に生まれて ミラン・クンデラと運命』須藤輝彦 著/前田龍之祐


【その他】
・「戦後レジーム」と「保守本流」 岸田文雄アメリカ演説を考える(鳥兜)
・ラディカルな政治運動と結びつくスピリチュアリズム(鳥兜)
・アイデンティティの「改変」――二十一世紀の「左翼」が目指すもの(保守放談)
・無反省なまま繰り返される観光公害(保守放談)
・塾生のページ
・読者からの手紙(投稿)

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