
☆巻頭言
安倍総理の後任として総理の座を射止めた菅義偉氏。世間は約八年ぶりの新総理誕生を大いに歓迎した。
東北出身であることや無派閥であること等が、その「令和おじさん」の総理就任の歓迎ムードをもり立てた。
ただし、日本が置かれた現実は今、戦慄を覚える深刻な状況にある。長引くデフレ不況下で襲来したコロナ禍、
米国では新大統領が誕生する中、そのコロナ禍で一人勝ち状況にある隣国中国はその覇権的野心をさらに激化させている。
こうした状況下では総理の差配は日本の命運に文字通り直結する。
本誌ではこうした認識の下、日本の命運を握る人物となった「菅義偉」という人物が一体如何なる政治家なのか、
そして彼はこの政権で一体如何なる政治を行おうとしているのかを、支持や批難の枠を超えて多角的、多面的に論ずる特集「菅義偉論」を企画した。
彼が言う「改革」は国益に適うものなのか、それとも単なる破壊に終わるのか
――読者各位が是非、じっくりとご吟味願いたい。
表現者クライテリオン編集長 藤井 聡
--------------------------------------------------------------------------------------------
☆特集 菅義偉論――改革者か、破壊者か
☆【連載対談】
◇永田町、その「政」の思想(第1回)「菅政権」システム論/佐藤 優×藤井 聡
☆【編集長インタビュー】
◇古賀誠氏に聞く――「菅改革」は保守たり得るのか?
◆亀井静香氏に聞く――菅義偉 自ら光を出せない「月の政治家」
◇政治記者・鈴木棟一氏に聞く――「改革者」菅義偉の源流
☆【特集論考】
◇菅義偉は力ずくの政治を改めなければ破壊者になる/森田 実
◆菅政権は半グレ政権――欠陥だらけの権力者の運命はいかに/佐高 信
◇「菅義偉」とは誰なのか――故郷喪失者のルサンチマンについて/浜崎洋介
◆理念より実利優先の超現実主義者――改革志向の原点は「エリート」への反発/泉 宏
◇中抜きの宰相? ――政治家・菅義偉考/與那覇 潤
◆菅首相を保守の友とすることはできない/中島岳志
☆【新連載】
◇保守のためのポストモダン講座(第1回)西部邁とポストモダン/平坂純一
☆【連載】
◇基本法を改正できない危機/大石久和(「危機感のない日本」の危機)
◆アベノミクスを振り返り、スガノミクスに願うこと/森永康平(アベノミクスの失敗)
◇保守派III――「覇権による安定」理論/伊藤 貫(国際政治学のパラダイム)
◆三島由紀夫「私の中の二十五年」を読む/富岡幸一郎(虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー)
◇宗教や戦争は自殺を減らすのか――?デュルケムの誤認と慧眼/川端祐一郎(思想と科学の間で)
◆郷愁と伝統/柴山桂太(「常識【コモンセンス】」を考える)
◇移動の自由がもたらす「リベラル・ディストピア」――「移動せずともよい社会」を目指して(三)コスモポリタニズム批判?/白川俊介(ナショナリズム再考)
◆国民の分断と言語教育――言葉から考える6/施 光恒(やわらか日本文化論)
◇戦国のアウトバーン――日本最初の運河・小名木川の謎/竹村公太郎(地形がつくる日本の歴史)
◆記憶なき場所に故郷を探す――小林勝の「フォード・一九二七年」を読む/仁平千香子(移動の文学)
◇マスコミが「保守」になり得ないわけ/松林 薫(逆張りのメディア論)
◆“生きたい"と“死にたくない"――我々の国は、私の国/磯邉精僊(自衛官とは何者か)
◇日本の政府と財界は、フランスの移民政策の失敗に学ぶべし/ブルーノ=ゴルニッシュ国民連合・前全国代表(後半)聞き手:及川健二(フランス保守論客インタビュー)
◆メディア出演瓦版/平坂純一
◇編集長クライテリア日記――令和二年九月~十一月/藤井聡
☆【書評】
◇『三島由紀夫 なぜ、死んでみせねばならなかったのか』浜崎洋介 著/磯邉精僊
◆『自衛隊は市街戦を戦えるか』二見 龍 著/篠崎奏平
◇『愛するということ』エーリッヒ・フロム 著/薄井大澄
◆『ベートーヴェン 巨匠への道』門馬直美 著/佐藤慶治
☆【その他】
◇領土を奪われる幼児国家日本「/遊び」を罰するな(鳥兜)
◆RCEPは誰のための協定なのか/滅びゆく日本――三島由紀夫没後五十年に思う(保守放談)
◇読者からの手紙(投稿)
☆巻頭言
「大阪を都にする」「大阪都を実現する」ための構想と思われがちな大阪都構想――
しかしその内実は単に大阪市という政令指定都市を廃止し、
「大阪市民」の財源と権限の一部を大阪府に譲渡し、かつ4分割するというもの。 いわば、大阪市という会社を潰して分社化して親会社である大阪府に組み入れるかのような構想が都構想なのだが、
それにも関わらず推進派の一貫した「イメージ戦略」によってまさに今、可決されんとしている。
本誌は、この構想は大阪市民の自滅を導くのみならず、全国民に深刻な被害をもたらす事を警告せんがために
ここに特集「『大阪都構想』で日本は没落する」を編纂した。
都構想の実現は第一に大阪の衰退を導く事を通して、第二にデマゴーグのみで直接投票を勝ち抜かんとする
民主政治の本格的劣化を通して確実に日本の没落を導く――この認識を明確かつ高らかに公の中で論じ尽くすことが、
住民投票の結果如何に関わらず、この没落から逃れ得る唯一の道なのである。
表現者クライテリオン編集長 藤井 聡
--------------------------------------------------------------------------------------------
☆特集 「大阪都構想」で日本は没落する――アフター・コロナの民主政治
☆【特集座談会】
◇「改革主義」は地方から乗り超えよ――戦後政治の転換点/室伏謙一×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
◆民主主義のジレンマ――「正しきを主張」するか「長いものに巻かれる」か/柳本 顕×北野妙子×川嶋広稔×藤井 聡
☆【特集対談】
◇都構想を巡る言論戦は「日本の民主主義」を守る戦いである/山本太郎×藤井 聡
◆日本の民主政治を糺す/石破 茂×藤井 聡
☆【特集論考】
◇〈大阪都〉構想は机上の空論だ――財政効果と経済効果からみて/薬師院仁志
◆「大阪都構想」による大都市自治の破壊――アキレス腱としての財政問題/森 裕之
◇「都構想」をめぐるパワーゲーム――市民不在の政治劇を斬る/冨田宏治
◆「悪名は無名に勝る」は地獄の一丁目/辻田真佐憲
◇新たな「特別区設置協定書」を読み解く――「公明四条件」は絵に描いた餅である/大阪の自治を考える研究会
◆「首長ポピュリズム」の時代――日本のポピュリストはなぜ新自由主義者なのか/吉田 徹
☆【新連載】
◇移動の文学(第一回)計算尺【クライテリオン】を探して――ジョン・オカダ『ノーノー・ボーイ』を読む/仁平千香子
☆【連載】
◇南無阿弥陀仏の世界/大石久和(「危機感のない日本」の危機)
◆コロナ・ショックと食料自給――国産の食材こそ本当は安い/鈴木宣弘(農は国の本なり)
◇デフレ脱却はなぜ道半ばに終わったのか/服部茂幸(アベノミクスの失敗)
◆三島由紀夫の没後半世紀に/富岡幸一郎(虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー)
◇保守派II――防御的リアリズムと攻撃的リアリズム/伊藤貫(国際政治学のパラダイム)
◆伝統のラディカリズム/柴山桂太(「常識【コモンセンス】」を考える)
◇身体感覚の統合――テレワークやオンライン授業に欠けているもの/川端祐一郎(思想と科学の間で)
◆マンガと日本人の景色――言葉から考える5/施 光恒(やわらか日本文化論)
◇メディアの「反差別」が助長する差別と分断/松林 薫(逆張りのメディア論)
◆務めを果たさぬ日本人/磯邉精僊(自衛官とは何者か)
◇家康の隠居の謎――陸の防御都市、海の攻撃都市/竹村公太郎(地形がつくる日本の歴史)
◆「世界主義」を克服し、「国益」重視の外交を展開せよ/ブルーノ=ゴルニッシュ国民連合・前全国代表(前半)聞き手:及川健二(フランス保守論客インタビュー)
◇メディア出演瓦版/平坂純一
◆編集長クライテリア日記――令和二年七月~九月/藤井聡
☆【寄稿】
◇「ろくでもない、なればこそ」/谷川岳士
☆【書評】
◇『新・政の哲学』藤井 聡 著/篠崎奏平
◆『大洪水の後で 現代文学三十年』井口時男 著/薄井大澄
◇『詩としての哲学 ニーチェ・ハイデッガー・ローティ』冨田恭彦 著/酒井佑陶
☆【その他】 ◇「絶望」から始めよう――菅義偉新政権誕生に際して/ 共同体と党派性――健全な民主政治の条件(鳥兜)
◆「中小つぶし」など論外/ 『大衆の反逆』の新しさ――現代日本のための警鐘(保守放談)
◇読者からの手紙
☆【特別インタビュー】
●養老孟司、常識を語る(最終回)
◇「手入れという思想」――「バカの壁」を乗り越えるために/聞き手:浜崎洋介
☆【特集】「新・空気の研究」――TV・知事・専門家達のコロナ脳
◇「空気」に抗う社交の力/辻田真佐憲×藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
◆専門家支配から非専門家統制へ――「空気」の専制に抗して/野家啓一
◇総動員体制下の「新しい生活様式」――コロナウイルスとの「戦い」は「総力戦」なのか/井上雅人
◆「空気」の支配に抗して――社交と常識の倫理学/浜崎洋介
◇マスメディアは新型コロナをいかに報じたか――「アナウンス効果」が生んだ危機/窪田順生
◆メディアとのソーシャルディスタンスを取り戻せ/松林薫(逆張りのメディア論)
◇「ゾンビ企業」は潰れるべきとの「空気」の支配が日本の経済社会を破壊する――誤った方向に放たれ続ける「第三の矢」/室伏謙一(アベノミクスの失敗)
◆ベートーヴェンは怒っている/野口剛夫
◇「二重行政の無駄」という罪悪――大阪維新の会の医療政策を検証する/松嶋三夫
◆空気の否定か、爽快な自滅か/佐藤健志
☆【新連載】
◇自衛官とは何者か 国民の中の自衛隊、自衛隊の中の国民/磯邉精僊
☆【連載】
◇コロナからの問いに応えられない亡国の危機/大石久和(「危機感のない日本」の危機)
◆保守派I/伊藤貫(国際政治学のパラダイム)
◇文学の黙示録――古井由吉『楽天記』/富岡幸一郎(虚構と言語 戦後文学のアルケオロジー)
◆伝統論の系譜学――T.S.エリオットから日本へ/柴山桂太(「常識」を考える)
◇芸術の科学――神経美学の試み/川端祐一郎(思想と科学の間で)
◆移動の自由がもたらす「リベラル・ディストピア」――「移動せずともよい社会」を目指して(二)コスモポリタニズム批判?/白川俊介(ナショナリズム再考)
◇「やさしさ」とマスク――言葉から考える4/施光恒(やわらか日本文化論)
◆関ケ原の戦いの謎/竹村公太郎(地形が作る日本の歴史)
◇第三次世界大戦を避けるため、国家を立て直せ(フランス保守論客インタビュー ジャン=ラサール「抵抗せよ」党首・下院議員 後半)/聞き手:及川健二
◆おい、自殺者は減っているぞ!/佐藤健志(だからこの世は宇宙のジョーク)
◇メディア出演瓦版/平坂純一
◆編集長クライテリア日記――令和二年四月~七月/藤井聡
☆【寄稿】
◇軍事技術と科学者/武田靖
◆昨今の学校教育について/?山啓佑

☆【特別対談・寄稿】
◇ロックでコロナをぶっ飛ばせ!/世良公則×藤井 聡
●養老孟司、常識を語る 番外編
◇グローバリズムについて コロナ禍を考えるために/養老孟司
☆【特集】「コロナ」が導く大転換 感染症の文明論
◇コロナ騒動の真相は何か 日本の無思想を問う/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
◆日本人よ、「コロナ」がそんなに恐いのか/小林よしのり×藤井 聡
◇「医療観の大転換」は可能か? 医療の現場からみた新型コロナパニック/森田洋之
◆[提案]国民被害の最小化を企図したコロナ禍対策/藤井 聡
◇共生のパートナーとしてのウイルス/武村政春
◆「自粛論」の進め方についての疑問 人間不在のコロナ騒動/浜崎洋介
◇ウイルス学の常識があれば、新型コロナは怖くない 「1/100作戦」こそ防疫の要諦/宮沢孝幸
◆危機に備えた医療体制整備と有事対応/村上正泰
◇失業者急増の緊急事態を直視せよ コロナ禍で政治が一歩でも方向性を間違うと、20万8400人が自殺する社会となる/鈴木傾城
◆「遅すぎる、少なすぎる」日本のコロナ経済支援を問う 諸外国との対比から/六辻彰二
◇コロナ禍で変わる世界秩序/川上高司
◆新型コロナ危機の下でも堂々と進められる「ショック・ドクトリン」 九月入学導入は我が国の初等・中等教育に混乱と破壊しかもたらさない/室伏謙一
◇英国でパンデミックを経験して 「ファーガソン・レポート」の感染症対策における含意/白川俊介
◆日系人の強制収容体験とコロナ禍の日本/仁平千香子
◇パンデミックは愛の行為/佐藤健志
◆パンデミックと「現代文明における死」/藤本龍児
☆【連載】
◇「危機感のない日本」の危機 強制が出来ない国の危機/大石久和
◆アベノミクスの失敗 第3回 財政赤字への誤解がもたらす政策の迷走/島倉 原
◇国際政治学のパラダイム 第2回 民主主義による平和/伊藤 貫
◆農は国の本なり 第13回 世界的な同時食料危機の連鎖に備えよ/柴田明夫
◇虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第11回 大衆社会の正体 古井由吉「先導獣の話」/富岡幸一郎
◆地形がつくる日本の歴史 第13回 新型コロナウィルス特別編 日本人の命の謎/竹村公太郎
◇ナショナリズム再考 第5回 コロナ禍で浮き彫りになる「国民国家」の規範的重要性/白川俊介
◆逆張りのメディア論13 コロナとメディア マスコミの論調が一色になったら要注意/松林 薫
◇メディア出演瓦版/平坂純一
◆だからこの世は宇宙のジョーク 日本に過剰自粛は存在しない/佐藤健志
☆【巻頭言】
1月に中国武漢で初めての感染者が報告された新型コロナウイルスはわずか数か月で瞬く間に世界に蔓延、6月現在、数百万人の感染者、数十万人の死者に至った。
世界中の都市が閉鎖され、我が国でも接触8割減が要請され、結果、経済は激しく低迷、世界大恐慌必至となった。
こうした激変は昨晩、世界的な食料危機や各国の全体主義の暴走、そして「第三次世界大戦」に準ずるような地域的な紛争の世界的な頻発に結び付きかねぬ状況に至った。こうした今日的状況は世界史的見地から見れば文字通りの「世界的事件」だ。
ついては本誌では、「『コロナ』が導く大転換ーー感染症の文明論」と題して、今日の「パンデミック」に端を発する国家的、世界的な大混乱を、疫学的視点から文明的視点に至るまで、執筆者各位に様々な角度から自由闊達に議論いただきた。
読者各位には是非、コロナにまつわる表層的報道、言説が繰り返される今日的状況の中で、本誌が提供する多面的コロナ論を堪能いただきたい。
表現者クライテリオン編集長 藤井聡