わたしたちはなぜ「あの戦争」を上手く語れないのか? 三島由紀夫、吉田満、城山三郎、丸山豊・・・・・・凄惨な戦場と様々な不条理、えも言われぬ充実感と耐え難い罪悪感。あの時、確かに日本人の中にあった感情とそれを失ってしまった喪失感が、戦争文学には刻まれていた!特攻、沖縄戦、敗戦……文学が刻んだ日本人の精神的断絶の深層を見つめる「戦争文学座談会」。
保守言論誌『表現者クライテリオン』が総力をあげて「あの戦争」を総決算。第1章【断絶編】、第2章【激戦編】、第3章【沖縄編】、第4章【特攻編】、4つの章、8作品について激論。文芸誌では真似できない自由闊達で素直な議論が、他のどこにもない新たなる戦争観に座談会参加者自身と読者を誘う。
私たちが抱えた痛みは無かったことになどできない。戦争が刻んだ日本人の精神的断絶の深層を覗き込み、痛みをもう一度自分たちのものとして受け止めなければ、日本人はまた戦争との適切な距離感が掴めず必ず暴走する。二度と「愚かに」戦争をしないための必読の書!
(危機的状況が亢進している今、)私たちがなすべきことも明らかではないか。すなわち、自分たちの「敗戦とトラウマ」に向き合い、そこにあった日本人の感情の事実を一つ一つ拾い上げながら、それを再び私たち自身の「掛け替へのない命の持続感」(小林秀雄「私の人生観」)へと統合すること。それは過去に辻褄を合わせるということではないし、過去に罪をなすりつけるということでもない。失敗も含めた過去を「我が事」とすることである。(「まえがき」より)
〈目次〉
第1章 断絶編
城山三郎『大義の末』
三島由紀夫『英霊の聲』
第2章 激戦編
櫻井忠温『肉弾』
丸山豊『月白の道』
第3章 沖縄編
大城立裕『カクテル・パーティー』
目取真俊『平和通りと名付けられた街を歩いて』
第4章 特攻編
吉田満『戦艦大和ノ最期』
島尾敏雄『出発は遂に訪れず
〈座談会参加者〉
藤井聡(編集長)、柴山佳太、浜崎洋介、川端祐一郎(以上、編集委員)小幡敏(第一回表現者賞)、施光恒(レギュラー執筆者)<解説>富岡幸一郎
スターリンの謀略、ヒトラーの失策、チャーチルの憎悪、ルーズベルトの老獪。共産主義に踊らされた世界のリーダーたち……世界支配を本当に目論んだのは誰か?「日本の戦争」は必然だったか?東大教授の書かない最新歴史研究。『東大教授には書けない「腹黒い」近現代史』(2024年刊)に続く刺激的な歴史対談、待望の続編が登場!
本書では、一般の歴史書がほとんど扱わない小国の動きにも焦点をあてたが、読者には、その意図を了解していただけるのではないかと思う。ヨーロッパは強欲で愚かな国の集合体である。だからこそ第一次大戦も第二次大戦もヨーロッパで起きた。米国の建国の父たちは、「ヨーロッパのもめ事には関わるな」と後世に警告した。彼らは、魑魅魍魎のヨーロッパ世界を知っていた。その教えに背き、ウッドロウ・ウィルソン大統領がヨーロッパの戦いに介入した。戦間期は、ウィルソンの間違いを米国民が悔いていた時期でもあった。国民の真摯な反省を、フランクリン・ルーズベルト大統領とウィンストン・チャーチル首相が粉砕した。そして第二次大戦となった。読者が、読了後に幾ばくかのデジャブを持つことができればこの企画は成功だと思う。歴史は繰り返す。本当の歴史を知らずして現代は語れない。(本書の渡辺惣樹「はじめに」より)
〈目次〉
第1章 既存の秩序・常識を壊したベルサイユ体制
第2章 戦間期を混乱させたフランスのわがまま
第3章 ソ連を一大プレイヤーに押し上げたスターリンの深謀遠慮
第4章 満洲国の主権にこだわりすぎた日本の落とし穴
第5章 ニューディールの失敗で参戦を決めたアメリカ・ルーズベルト
第6章 共産主義プロパガンダの集大成だったスペイン内戦
第7章 ヒトラーはどこで間違えたのか
宇宙開発の軌跡をひも解くと、人類の未来が見える。
米ソの競争によって大いに発展した宇宙開発は、
冷戦終了後、ISSに象徴される国際共同の時代へ。
そして今、米中の熾烈な競争が幕を開ける——。
宇宙開発の歴史を知ることは、人類の未来を知ることである。
・冷戦の終了で変化した宇宙開発の目的
・米ソとは異なる進化の道を歩んだ日本の宇宙開発
・アメリカ主導の「アルテミス合意」は、中国を意識したもの
・期待される「原子力ロケット」の研究
・世界初の「火星サンプルリターン」は、アメリカか中国か?
・地球にない宇宙資源を活用する時代へ etc.
宇宙開発は、資源を持たない日本にとって
極めて重要な国家戦略である!
国際情勢を大きなスケールで見ると、およそ150年を1周期として、戦争と平和の時代が交互に訪れているようにも見えます。直近の150年を見てみると、後半の平和の時代には、冷戦構造を抱えながらも国際共同の機運が高まり、ISSやアルテミスといった共存のための構想が実現されました。(中略)本書では、こうした宇宙開発の歴史を振り返りながら、「なぜ宇宙開発が必要なのか」「これからどんな役割を果たすべきなのか」といった問いについて、日本の立場から考えていきたいと思います。——本書、「はじめに」より
◎10ミニッツアカデミー講義録
〈目次〉
第1章 宇宙開発の流れを概観する
第2章 宇宙開発の初期段階 ~ロケット開発から人工衛星の打ち上げまで
第3章 人類が宇宙へ飛び出す時代へ
第4章 衛星探査機や惑星探査機の開発
第5章 冷戦の終了と変化する宇宙開発の目的
第6章 技術の確立、そして民間企業が参入へ
第7章 米ソとは異なる発展を遂げた日本の宇宙開発
第8章 太陽系の歴史を紐解く惑星探査
第9章 宇宙開発を継続するための「国際月探査」
第10章 宇宙開発における中国の台頭
第11章 政治の影響を免れない宇宙開発
第12章 月から火星へ ——Moon to Mars
第13章 地球にない宇宙資源を活用する時代へ
第14章 宇宙推進技術はどこまで進化したか
第15章 発展する宇宙空間利用と、進化する技術
第16章 宇宙開発は私たちの未来をどう変えるか
●上皇と天皇はどっちが偉いの?
●900年間天皇がいなかったのは本当?
●「高天原」はこの世にある?!
●聖徳太子はなぜ天皇になれなかったの?
●「日本建国」を宣言した天皇は誰?
●肖像画のない女性天皇は誰?
今さら誰にも聞けない天皇の歴史の数々!
天皇のことがすべてわかる本
10世紀の半ばから18世紀の終わりまで、およそ900年の間、天皇は存在しなかった——。そういうと皆さんは驚くでしょうか。ところが、これはまぎれもない史実なのです。在位していたミカドの崩ほう御ぎょ後に贈られる尊そん号ごうが「天皇」で900年間、その天皇の号が贈られませんでした。それではその間、天皇は何と呼ばれていたのでしょうか。答えは「院」です。
したがって、われわれが知る著名な天皇、たとえば鎌倉幕府を倒した後ご醍だい醐ご天皇も正確には「後醍醐院」と呼ぶべきなのです。形式上、後醍醐天皇という歴史上の人物は存在しないことになります。そう呼ばれるのは大正時代になってからで、政府が院号時代の歴代のミカドを「天皇と呼ぼう」と決めたからなのです。そうなると新たな疑問が浮かび上がります。(「はじめに」より)
〈目次〉
第1章 権力と権威の確率
第2章 摂関政治と院政のはざまで——試練編
第3章 武家と戦乱に翻弄されて——凋落篇
第4章 ふたたび絶対的権威者へ——再興編
なぜ女性は皇族になれるのか
マスコミが隠す皇室とジェンダーの謎
女系論者よ、貴様たちに日本を壊させない!
女系天皇容認論者に問う!
神話時代から続く「先例―掟―」を無視する責任はとれるのか!?
日本の歴史そのものを改変する許しがたい事態!我が国の歴史に一度も先例のない、「女系皇族容認」をしたら、乗っ取りが起こる。わが国の皇位継承の歴史がよーくわかる1冊!
〈目次〉
序 章 議論の前提
第1章 神話と伝説の女神様
第2章 古代に戻れ! では、どの先例に?
第3章 女帝が停止された理由は奈良時代にある
第4章 平安朝の女性たち
第5章 中世の女性たち
第6章 近世の女性たち
第7章 近現代の女性たち
終 章 令和、そして未来へ
縄文時代から奈良時代まで、
教科書の常識がひっくり返る!
『日本書紀』が抹殺した古代史の真実、
最新の考古学研究による究極の日本人論。
★縄文以来の日本の社会秩序は、藤原氏の独裁で潰された?
★縄文人は長い期間、弥生的な農耕文明に抵抗した
★継体天皇を支えた「豪族」とは誰か?
★百済の王子・中臣鎌足が起こしたクーデタ―
★皇族と藤原氏の血なまぐさい闘いとは?
★聖武天皇が東大寺建立に命を燃やした意味とは?
「正史」では語られない権力闘争の真実を、
縄文時代から奈良時代まで明らかにする。
〈目次〉
序章 東大寺とアマテラス
第1章 日本人のルーツ
第2章 神話の時代と日本人の信仰の原点
第3章 古墳時代の始まりと王家の謎
第4章 飛鳥時代と蘇我氏の正義
第5章 奈良時代 律令制度と天皇
終章 平安時代 院政の真相