満洲事変についての国際連盟から派遣された調査団による調査報告書=「リットン報告書」。それは、日本の「満洲侵略」を批判・非難したレポートではなかった。相当程度「日本の立場」を認めていた史料をいま改めて読み直す。 「リットン報告書」とは、いうまでもなく、1931年(昭和6年)に勃発した満洲事変についての調査報告書である。必ず歴史の教科書に出てくるから、たいていの人がその名ぐらいは知っているはずだ。ところがこの報告書の邦訳は、昭和7年に朝日新聞社をはじめ、いくつかの出版社から数種類が刊行されただけである。専門家をのぞけば、全文を読んだことのある人がきわめて限られるのも無理はない。 しかも、この報告書を国際連盟が認めたため、日本が1933年(昭和8年)2月24日に国際連盟を脱退しているから――リットン報告書といえば、日本の「満洲侵略」を国際社会がこぞって非難したレポートだ、という印象をもっている人がきわめて多い。だがそれは間違いなのだ。本文を通読すればわかるように、報告書は相当程度「日本の立場」を認めているのである。少なくとも、満洲事変と聞けばただちに「日本の大陸侵略」と決めつけ、満洲国と耳にすれば即座に「傀儡国家」と反応する、朝日新聞その他の左翼マスコミよりずっと正しい歴史認識を示している。 本書は2006年11月に『全文リットン報告書』の新装版! 新装版刊行にあたり、歴史的にも貴重な資料 「リットン報告書」の英文全文がウェブ上でご覧になれます!! ▼英文『リットン報告書』全文 「REPORT OF THE COMMISSION OF ENQUIRY」 ↓こちらよりダウンロードして御覧下さい。↓
宮脇淳子氏推薦!「人民共和国後期が、もう終わっていることを論証した好著! 」 ロングセラー『真実の中国史【1840-1949】』、『真実の満州史【1894-1956】』(ともに弊社刊)。 今回は真実の中国史【1840-1949】続編となる好評第3弾! 本書は1949年の中華人民共和国建国から、習近平時代に突入した中国を鋭い筆法で評論活動を続けベストセラーを続々と刊行する黄氏が完全解説します。分裂を繰り返す中国の真実とは?1949年の中華人民共和国建国から権力の構造を読み解く。
本書では、日清戦争が始まった1894年(明治27年)から、ソ連からの引き揚げ船が舞鶴に入港する1956年(昭和31年)までを歴史学者・宮脇淳子氏が完全解説。 「なぜ満洲と呼ばれるのか?」といった素朴な疑問から、「旅順虐殺の真相」「関東軍の謀略は本当にあったのか?」「日本と欧米の植民地政策の大きな相違点」など、日本人と中国人の歴史観のギャップによって見えなくなってきた「史実」を解き起こす、まさに「真実の満洲史」である。 中国の立場から見た歴史観にも、戦後日本の自虐史観に則らない、世界から見た「史実」とはいかなるものか? 中国共産党・毛沢東によって書き換えられた歴史を鵜呑みにしてきた日本人に、真実の歴史を解説していく。歴史とは勝者によってつくられる。 「今回の『真実の満洲史』では、大陸と日本との関わりが一番の焦点になります。それこそ、われわれ戦後の日本人が正面から向き合うことを避けてきた、もっとも不得手な分野です。つまり、満洲の歴史をどう見るのかということは、日本人の歴史観を問う鏡のようなものなのです」(まえがき抜粋)